なぜか軒並み不調…今オフ「複数年契約」満了のベテラン選手はどうなる? 相次ぐ「戦力外通告」のウラで気になる高額年俸選手たちの去就
巨人・阿部慎之助監督(45)は胴上げ翌日の9月29日に菅野智之(34)、小林誠司(35)を一軍登録から抹消し、西舘勇陽(22)、山瀬慎之助(23)と入れ替えた。クライマックスシリーズを勝ち上がるため、そして、日本シリーズ進出に向けて若手の力量を見極めるためである。しかし、オフに向けた球界の動きは前向きなものばかりではない。9月30日、同じく巨人は菊田拡和(23)と育成選手7名に「戦力外」を通達した。通達解禁日とはいえ、まだペナントレースの公式戦は残されている。先走った感もしないではないが、戦力外選手のリストはすでにどの球団も出来上がっているという。 「8月にNPBと日本プロ野球選手会の事務折衝が行われ、12球団合同トライアウト(入団テスト)も取り上げられました。NPBは今年限りで廃止する方針で、選手会主催で継続するか、独立リーグや社会人野球にセカンドキャリアを求める選手向けに方向性を変える案も提案されました。広島の鈴木清明球団本部長は『現実的に、トライアウトでの一球、一打で(獲得を)決めることはない』と選手会側に伝えています」(スポーツ紙記者) 合同トライアウトは、年末になるとテレビ番組でも取り上げられ、半ば風物詩となっていたが、それもなくなることになりそうだ。プロ野球は夢を与えるだけでなく、あくまで競争の世界である以上、敗者は去るしかないのだろう。 もう一つ、シーズンオフに注目すべき点がある。今オフは複数年契約の最終年を迎える選手も多い。ただ、そのほとんどが成績を落としているのだ。高額年俸に見合う結果が残せなかった以上、現役を続けるには大幅減俸を受け入れるしかない。だが、減額提示すらされず、戦力外となる選手も出てきそうなのである。 中日・大島洋平(38)は今季が2年契約の最終年で、ダヤン・ビシエド(35)も3年契約が終了となる。巨人では4年契約の梶谷隆幸(36)、5年契約の坂本勇人(35)が満了。また、チームは4年ぶりの胴上げを果たしたものの、蚊帳の外だった2年契約満了のソフトバンク・中村晃(34)。楽天の島内弘明(34)も4年契約が終わり、阪神・梅野隆太郎(33)も今年が3年契約の3年目だ。彼らは全員、成績を落としている。 「問題は、彼らが高給取りなことです。30代半ばから後半の選手なので、ダウン提示ではなく、バッサリときられてしまう選手も出てきそう」(前出・同)