【大学トレンド】「工学系女子」を増やす…女子大のねらい 「力」ではなく「知のエンジニア」の育成を
全国で広がる工学系女子を増やす試み
奈良女子大学に続き、お茶の水女子大学も24年度に共創工学部を新設します。工学と人文、社会科学を掛け合わせた文理融合型の工学部です。また、学部新設に先駆け、理工系女性人材の育成を促進しようと、22年に理系女性育成啓発研究所を設立しました。女子中高生向けに理系女性のロールモデルを紹介する講演会や、理系分野に興味を持ってもらえるようなワークショップなどのイベントを開催しています。 一方、すでに理工系学部がある大学では女子枠を新たに設置する動きが目立っています。 芝浦工業大学では、18年度入試から特に女子学生が少ない工学部機械電気系4学科で公募制推薦に女子枠を設置。その後、少しずつ拡大していき、23年度入試では、工学部9学科、システム理工学部6学科、デザイン工学部2学科、建築学部3学科に拡大。さらに、22年度からは入試で優秀な成績を収めた女子入学者100人以上に入学金相当(28万円)の奨学金を給付し、女子学生の入学を後押ししています。 東京工業大学は、24年度入試から4学院(他大学の学部にあたるもの)の総合型・学校推薦型選抜で女子枠を導入。25年度入試では全学院に女子枠を設置し、募集人員の約14%相当の計143人にまで枠を広げていく予定です。 東京理科大学は、24年度入試から工学系分野の3学部16学科の総合型選抜に女子枠を設けます。募集人数は各学科3人、計48人となっています。 他にも、北見工業大学や金沢大学、琉球大学など、24年度入試から女子枠を導入する大学が増えています。 女子学生にとって、こうした動きは大きなチャンスでもあります。これまでの工学のイメージにとらわれず、少しでも興味があれば講演会やワークショップなどに参加してみるのがおすすめです。
朝日新聞 Thinkキャンパス