あなたは過敏性腸症候群(IBS)のどのタイプ? 効果的に治療を進めるポイントをチェック
腹痛や下痢、便秘が頻繁に起こるので、電車に乗れば各駅で下車、試験や会議は何度も中座。食事後にすぐトイレに行きたくなるので、外食もできない……。そんな人は、「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。よくわからない怖い病気というイメージを持つ人もいるでしょう。でも、原因をつきとめ、適切に対処すれば治せる病気です。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 そこで、この連載では、話題の新刊『過敏性腸症候群(IBS)くり返す腹痛・下痢・便秘から脱出するには』(水上健 著)のエッセンスを全8回にわたりご紹介。過敏性腸症候群(IBS)の特徴や治療法、日常生活で注意すべきことなどを詳しく解説します。 自身やまわりの人の症状を和らげながら、健康な体を取り戻していくためのヒントを見つけてください。今回は、IBSの4タイプごとに異なる治療の進め方をみていきましょう。 『過敏性腸症候群(IBS)くり返す腹痛・下痢・便秘から脱出するには』 第6回 〈半年以上前から腹痛と下痢や便秘に悩む人が、過敏性腸症候群(IBS)と診断されるまで〉より続く
IBSは4タイプに応じた治療を進めることで「治る」病気
過敏性腸症候群(以下、本文ではIBSと表記)には4つのまったく異なるタイプがあります。効果がある薬や治療とはいっても、それは4つのタイプのうちの一つに効くということ。すべてのタイプに効くわけではありません。患者さんのタイプと合っていなければ効果がないのは当然です。 患者さんのタイプを知って、効果がある治療と治療薬の使い方がわかればIBSは克服できます。ただ、タイプは体質でもあるため、その治療は無理なく一生永続できるものであることが大切です。すべてに「薬で簡単に治りますよ」とはいえませんし、生活の改善が必要な人は多いですが、治せない病気ではないのです。 食事療法を考える患者さんも多いですが、4つのタイプすべてに有効とは限りません。消化不良型には原因に対する治療なので高い効果がありますが、ストレス型、腸管形態型、胆汁性下痢型には原理的にも食事療法の効果は限定的です。 消化不良型は、下痢を誘発しやすい高FODMAP食(フォドマップ=発酵性糖質を含む食品)を適度に制限してうまくつきあうようにしましょう。