再生回数1000万回超え! YouTubeショートでバズりまくりのフォーク曲げパフォーマー・後藤凌「"大道芸業界の宮野真守さん"を目指して、パフォーマーの道を切り拓いていきたい」
後藤 はい。名古屋だと名古屋城や名古屋港前などでのパフォーマンスが認められています。大勢の人が集まる場所でも堂々と演目ができるので、今や収入の割合は大道芸が8割です。ライセンスを取得し、稼ぎを証明できるようになった辺りから、少しずつ両親も認めてくれましたね。 ■課題は気温上昇とキャッシュレス化 ――投げ銭はお客さんの任意です。にもかかわらず、収益の大半が大道芸とはスゴいですね。取材当日、お台場での大道芸を拝見させていただきましたが、終演後、投げ銭の列が長く続いていたのもビックリしました。 後藤 ありがたいことに、それも今年に入りYouTubeがバズるようになってからですね。終演後「僕はお金が大好きです」「差し入れは(持ち帰るのが大変なので)アマゾンギフトカードだと嬉しいです」という投げ銭ジョークを言うのが定番なのですが、それがキャラクターとして受け入れられているのも、YouTubeを通してぼくのキャラが知られるようになったおかげです。 ただ、投げ銭が重荷になって大道芸を見に来られなくなっては元も子もない。「気持ちだけでも十分ありがたい」ということも伝えるようにしています。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、皆さんの驚く反応や楽しそうな笑顔がいちばんのやりがいですから。フォーク曲げを習得したときから、その気持ちは変わっていないです。 ――その後藤さんの純粋なお気持ちがパフォーマンスを通して伝わるからこそ、投げ銭への列が絶えないのではないかと思います。見るも見ないも自由な大道芸。お客さんを楽しませるため、また飽きさせないために後藤さんが心がけていることは? 後藤 楽しいパフォーマンスの準備ができていることが大前提ではありますが、全方位から見られている意識、特に、横側からご覧になっているお客さんのハートをいかに掴むかが大事だと思っています。前列のお客さんはもちろんですが、見づらい位置から見てくれているお客さんに対しても、しっかりと配慮をすること。 お客さんを巻き込んだトークをするときは、どのお客さんも置いてけぼりにならないよう、反応を見つつ、絡み方や絡む長さなどを調整しています。お客さんの反応を見つつアドリブでショーを作っていく感じですね。 何回も観に来てくださるお客さんも多くいらっしゃるのですが、聞くと「毎回アドリブで内容が違うから、何度見ても面白い」とおっしゃっていました。公式HPで予告しているとはいえ、ゲリラ的に開催する大道芸にリピートしてもらうのは、なかなかハードルが高いこと。技の失敗も含め毎回展開が違うショーを目指してアドリブを続けてきたぼくのやり方は、間違っていなかったのかもしれません。 ――アドリブで場を盛り上げ、パフォーマンスに集中しながら周りにも気を配る。さすがです。