再生回数1000万回超え! YouTubeショートでバズりまくりのフォーク曲げパフォーマー・後藤凌「"大道芸業界の宮野真守さん"を目指して、パフォーマーの道を切り拓いていきたい」
後藤 動画で見たように、家にあるフォークを片手で曲げられるよう練習しました。学生時代に得意だった物理の知識を応用して独学で習得。鏡の前で美しい見せ方を研究しては、親や友達に見せていました。そのときに「スゴいね」「どうなってるの?」と驚きの反応をもらったときにスゴくやりがいを感じて、「フォーク曲げの道で食っていきたい」と強く思うようになりました。ちょうど入学から半年で専門学校を辞めてしまったタイミングでもあったので、決意は堅かったです。 フォーク曲げを習得した後は、パフォーマンスに必須なトーク力を身につけるために接客業を学ぼうと、地元のホストクラブでアルバイトを始めました。なぜ、あえてホストを選んだのかというと、接客業(トーク力)の究極だと思ったからです。実際スゴく勉強になりましたし、ちょっと向いていたような気もします(笑)。 ――ホスト時代があったとは! 確かに、髪型や所作がどことなくそれっぽいような(笑)。 後藤 必要な技術を身につけたとはいえ、どうすればフォーク曲げで収入が得られるか分からず。とにかくできることをと思い、「おれ、フォーク曲げめっちゃ上手いんですよ!」「タダで良いんで、5分、いや1分だけ使ってください!」と、介護施設やホテル、バーなどに飛び込みで営業。世間知らずな10代という強みを活かして、とにかく現場数をこなしました。当然、今みたいにぼくを知って見てくれる人なんていなかったから、ウケない日ばかりでしたよ。 当時の稼ぎは月3~4万程度。両親にはかなり心配をかけました。専門学校を辞めた後ろめたさもあったし、両親ともに堅い仕事なので、最初は全く理解されなかったですね。 ――転機はあったのですか? 後藤 ホテルへ営業に行ったとき、とある社長さんがチャンスをくれたんです。「何をやるのか知らないけど、面白そうだから30分あげるよ。出演料も払うから」って。フォーク曲げだけでは尺が持たないので、急いでジャグリングなどの技を習得。手探りで作り上げた30分のショーが思いのほかウケて、社長さんから横のつながりを紹介していただいて。そうした広がりのなかで大道芸人さんと接する機会があり、路上でパフォーマンスを披露する"大道芸"という形式を意識するようになり、今の活動へと繋がります。 ――"大道芸"の何が魅力だったんでしょう? 後藤 これまでの収益は基本的にイベンターさんや企業さんからいただくギャラでしたが、大道芸はお客さんからの投げ銭で成り立つものです。金額の保証がないとはいえ、オファーを待たずに自らパフォーマンスの場を作れるのはとても魅力的でした。本来は各地方自治体が認める"ライセンス"を取得する必要があるのですが、当初は無知のまま無許可で大道芸をやっては警察に止められていましたね。今は名古屋市と東京都のライセンスを持つ公認パフォーマーとして活動しているので、ご安心ください(笑)。 ――ライセンスとは、プロのパフォーマーとして、東京だとお台場や上野公園などの名所で大道芸ができる権利のことですね。