ナイキやトゥルーレリジョンなど多くのD2Cブランドが 卸売事業 を強化:Fashion Briefing
トゥルーレリジョンの主要成長分野である卸売
2023年年7月にトゥルーレリジョンのCMOに就任したクリステン・ダーシー氏は、同ブランドにとって卸売は主要な成長分野であり、2022年の収益は2億5000万ドル(約370億円)を超えたとGlossyに語った。 「当社の(D2Cの)eコマース事業は素晴らしいが、米国での卸売事業にはまだ成長の余地が多くある」とダーシー氏。その注力の表れとして、同氏は、2023年5月にジム・クシュナー氏を北米ホールセール担当エグゼクティブバイスプレジデントとして採用したことを挙げた。クシュナー氏は、ペリー エリス(Perry Ellis)やカルバン・クライン(Calvin Klein)などの卸売中心のブランドで10年以上の経験がある。「卸売において取り組めることは多くある」。 クシュナー氏は、300店舗以上を展開するパクサン(Pacsun)や700店舗以上を展開するアーバンアウトフィッターズ(Urban Outfitters)など、幅広いリーチを持つ卸売小売業者にトゥルーレリジョンを参入させることに貢献した。トゥルーレリジョンのほかにも、卸売事業で成功を収めているデニムブランドがある。コントール・ブランズ(Kontoor Brands)傘下のラングラー(Wrangler)とリー(Lee)は、ウォルマートやディラーズ(Dillard’s)といった大手小売業者との強力な卸売提携のおかげで、2023年11月に両ブランド合わせて17%の利益増加を報告している。
小売で新規顧客を獲得するモニカ + アンディ
子供服ブランドのモニカ + アンディ(Monica + Andy)の共同創業者、モニカ・ロイヤー氏は、同ブランドはD2Cを中心にスタートしたが、ブランドの規模が拡大している今、その支援のために卸売を検討しているという。2023年には、同ブランドは最初の卸売パートナーであるウォルマートとの提携を開始した。現在ではウォルマートの1200店舗で取り扱われており、ウォルマート限定商品も発売されている。ウォルマートは同ブランドの単独卸売パートナーである。 「ウォルマートの1200店舗に進出すれば、全米のさらに多くの家庭にモニカ + アンディを届けることができる」とロイヤー氏はGlossyに語る。「ブランドの初期には14回ほどポップアップを開催したが、これは、顧客と出会い、顧客を獲得するための素晴らしい方法だった。だから今、全国各地に拠点があることは画期的だ」。