【2025年期待の一頭】スプリント界に出現した〝新星〟 海外進出狙うアメリカンステージ/和田慎司
和田慎司【アメリカンステージ(牡3・矢作)】
毎年のように、文字通り新たな〝世界〟を見せてくれる矢作芳人厩舎。特にフォーエバーヤングは2024年、ケンタッキーダービー、BCクラシックとダートの本場・アメリカの一流馬を向こうに回し、ともに快挙まであと一歩に迫った3着。個人的にも、両レースは凱旋門賞より登頂困難な頂と思っていただけに「日本競馬はいよいよここまで来たか…」と驚かされたものだ。 そんな新時代の雄を担当しているのが、渋田康弘調教助手。「自分が何かしたという意識は全くなくて、馬が連れて行ってくれた」とご本人は話すが、当然ながら愛馬への真摯な姿勢があってこそ戦い抜けた、24年の世界戦。その渋田さんと今年、アメリカの舞台に立つかもしれないもう一頭の担当馬が、アメリカンステージである。 スプリント界に現れた新星の馬っぷり、そして見せるスピードは無限の可能性に満ちており、早速海外遠征が視野に入れられているのも、さもありなん。「全くタイプの違う2頭だからね。坂路で楽々11秒台を出せるスピード、これはフォーエバーヤングでも持っていない。魅力を秘めた馬だよ」とは渋田さん。 この馬も日本の枠に収まらず、名は体を表すか。秋にはフォーエバーヤングと揃ってBCクラシック、スプリント制覇を目指し勇躍アメリカへ―。そんな未来は、決して絵空事ではないはずだ。
和田 慎司