劣悪な環境に人手不足…日本が誇るアニメ制作のスキル継承に赤ランプ 業界団体が人材育成目指し「検定」制度をスタート
こんな状況で新人が入ってきても、5分の1、10分の1に減ってしまいます。代わりはいくらでもいると考えている会社も多いですが、アニメーターは鉛筆や消しゴムのような消耗品ではない。待遇を改善すべきです。 ▽楽しい気持ちを持ったまま仕事を ―検定で技術を磨き、リテイクを減らして仕上げる枚数を多くすることができれば、収入の増加や、業界を去る人を減らすことにもつながるかもしれません。 福井 私たちはアニメが大好きですから、いいものを作りたいという気持ちがすごく大きい。子供の頃から好きなアニメを見ていて「楽しかった」という気持ちを持ったまま、一生懸命仕事をしてくれる人を増やしたいです。 ヤマト アニメの制作費は10年前に比べると数倍に増えていますが、同時にクオリティーもより高いものを求められています。(作業が増えた分)制作現場にもお金がより行き渡るようにすることが必要です。 いまやアニメは海外でも見られ、アニメーターが世界に影響を与えるほどの職種になっています。そんなアニメづくりの現場をおざなりにしないために、検定が必要だと感じています。
× × NAFCAは、アニメーターを目指す人の技術向上や、広くアニメ制作の現場に興味を持ってもらうことを目的に「アニメータースキル検定」を11月9日に実施する。9月30日まで申し込み受け付け中で、活動費のためのクラウドファンディングも行っている。 検定の初回は、アニメーターの技術の基礎である線をなぞるトレスなどの技術を測る「トレス・タップ割り検定」の6級と5級を、東京、新潟、名古屋、大阪、福岡で実施する。全受検者の回答をプロのアニメーターらが採点、添削して返送する。 NAFCAは検定のための練習用の教科書も作成している。詳細はアニメータースキル検定の公式サイトで。 × × 【ヤマトナオミチさん】アニメ監督。代表作に「ヤマトよ永遠に REBEL3199」(監督)など。 【福井智子さん】動画監督。45年以上現場で働き、デジタルハリウッド大で教えながら現役で制作に関わる。代表作に「機動戦士ガンダムUC」(動画検査)など。