<ボクシング>村田 辰吉も絶賛 思い出の地でKO勝ち
辰吉も、こんな提言をしていた。「ミドルは、ほんま世界の名だたる選手が集まる階級。そこで世界を狙うんやから、キャリアがもっといると思う。すぐに強い相手とやるメリットはないやん。いろんなタイプと試合をやっていくことやろう。試合をやることで、身体も出来上がってくるし、テクニックもボクシングスタイルも作れる」。カリスマの言葉に説得力があった。 原稿を書こうと急いで、会場の島津アリーナを出ると、そこには、北出先生や武元先生にボクシングを教えられた「武元軍団」が勢ぞろいして村田の帰りを待っていた。故郷で試合をするということはこういうことなのだろう。「逞しくなりましたね。ほかの先生方とも話していたんです。昔から村田はビッグマウスやったけれど、その言ったことをちゃんと実行する人間になってきたなと」。 中学時代の村田を半ば強制的にボクシングの世界へ送り込んだ北出先生は、そう言った。 ーー先生、昔のビッグマウスで覚えていることがあったら教えてください。 「『喧嘩やったら誰にも負けへん』と言ってましたわ。ほんま負けず嫌いです」 15年前の村田の姿が目に浮かんで、少し笑えた。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)