会社員もラーメンも…現実を飛び越えて「発射っ!」 ガチャの狂気 〝大人世代に特化〟
「本格的にヘン」なものを本気で
「灰色メロン」のコンセプトは、「本格的にヘン!」。その名前には、正解か不正解かを決めつけるのではなく、グレーゾーンの中にある無限の可能性を探求する姿勢が込められています。 飯田さんは、「現代社会は、白黒つけたがるけれど、クリエイティブの世界では、その間にある曖昧さこそが面白い」と語ります。グレーは一見すると地味でネガティブなイメージを持つ色ですが、そこにこそ無限の可能性が広がっていると考えたのです。 スタンド・ストーンズの佐藤さんは、灰色メロンの魅力について、「『本格的にヘン』なものを『本気で作る』ことだと思っています。ふざけていると感じるような商品が、手に取ると妙な説得力がある…ということを目指し、造形のディティールなど、細かな部分も妥協せず仕上げています」と教えてくれました。ブランドの根幹にあるのは、アイデアの面白さと、それを形にする際の圧倒的なこだわりです。 第1弾は6月に発売された「部分イクラ」。イクラの粒をあえて部分的に表現するというユニークな発想が話題を呼びました。続く第2弾「ナゾパゴス島」は7月に発売され、架空の世界観と不思議なキャラクターを前面に押し出し、多くのファンを惹きつけました。
「1番バカバカしくて、いい」企画
今回は8月に発売せれた第3弾「発射っ!」を紹介します。「発射っ!」は、トイレ、ランドセル、ラーメンといった日常的なアイテムがロケットのように空へ飛び出す、ヘンなガチャガチャ。 「発射っ!」の誕生の背景には、飯田さんのアイデアがあります。 「発射っ!」では、「何かから逃げたい、現実を飛び越えたい」という気持ちがユーモアに表現されています。そして、未来の世界で小型の発射装置が普及し、日常のアイテムが空へ飛び出していくという架空のストーリーを背景に、商品としての驚きと面白さを追求しました。「サラリーマンはトイレで悩みを抱え、小学生も何か悩みがありそうで、今っぽいなと感じました。そしたら、ラーメンにも悩みがあるんじゃないか(笑)。セレブの外国人も佐藤さんのアイデアで、たくさんお金があるけど、なんだか楽しくない。そこから発射したい。どんどん考えが浮かんできました」と飯田さんは振り返ります。 この「発射っ!!」について佐藤さんは、「たくさんの企画の中で1番バカバカしくて、いいなと思いました」と言い、「フィギュアにしてみたらおもしろそう、作ってみたい!と思ったのが『発射っ!』でした。ディスプレイポップに書いてある『最近、発射してますか?』と問いかけてくる感覚も好きです」。