『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』ダニー・フィリッポウ監督&マイケル・フィリッポウ監督 自分の内なる声を信じろ!【Director’s Interview Vol. 379】
僕たちは“Weeaboo”!
Q:ミアの部屋には日本の“こけし”が置いてありましたが、日本文化に対しての思いなどはありますか? ダニー:“Weeaboo”という言葉があって、それは日本文化が大好きな西洋人のこと。僕たちは完全に“Weeaboo”だね。日本の漫画やアニメ、映画、ゲームが大好きだし、日本の建築も好きだよ。 Q:本作への影響として『ぼくのエリ 200歳の少女』(08)や『エクソシスト』(73)を挙げられたのは納得ですが、アンドレイ・ズビャギンツェフの『父、帰る』(03)や、ポン・ジュノの『殺人の追憶』(03)の影響は意外に思いつつも興味深かったです。他に好きな映画監督はいますか? ダニー:フィルムメイカーで好きな人というよりも、作品が好きという感じかな。どの作品からどんなインスピレーションを受けたか分からないくらい沢山映画を観てきたので、この映画にも無意識に入っているものがあると思うよ。 マイケル:『殺人の追憶』は、トーンがいいなと思ったし、ジャンルが色々ミックスされているのも良かった。そこはこの映画でもやりたいと思った。ポン・ジュノの作品は全部好きだけど、中でも『殺人の追憶』は格別だね。 監督・脚本:ダニー・フィリッポウ&マイケル・フィリッポウ 1992年11月13日生まれ、オーストラリア出身の双子。2013年に開設したYouTubeチャンネル「RackaRacka」は総再生数15億回以上、680万人以上の登録者数を誇る。2015年、同チャンネルは第6回ストリーミー賞ベスト・インターナショナルYouTubeチャンネルを受賞。2人は「Variety」誌の「Famechangers 2016」に選ばれ、2017年にはビジネス紙「オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー」の「Cultural Power List」で5位にランクイン。オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞最優秀ウェブ番組賞ほか、数々の賞を受賞している。ジェニファー・ケント監督の『ババドック~暗闇の魔物~』(14)に撮影クルーとして参加。『Talk To Me』の続編『Talk 2 Me』でもメガホンをとるほか、世界的人気ゲーム『ストリートファイター』の実写化でも監督を務めることが決定している。 取材・文: 香田史生 CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。 撮影:青木一成 『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』 12月22日(金)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー 配給:ギャガ © 2022 Talk To Me Holdings Pty Ltd, Adelaide Film Festival, Screen Australia
香田史生
【関連記事】
- 『ポトフ 美食家と料理人』トラン・アン・ユン監督 最も難しいのは空気感の創出【Director’s Interview Vol.378】
- 『VORTEX ヴォルテックス』ギャスパー・ノエ監督 誰もやっていないことをやりたい【Director’s Interview Vol.377】
- 『蟻の王』ジャンニ・アメリオ監督 人間のまっとうな権利を主張する勇気【Director’s Interview Vol.369】
- 『理想郷』ロドリゴ・ソロゴイェン監督 物語を語るために必要な3つのこととは【Director’s Interview Vol.368】
- 『ザ・クリエイター/創造者』ギャレス・エドワーズ監督 世界一お金を掛けたゲリラスタイル【Director’s Interview Vol.365】