世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その2・10年後の金融資産は4750万!(中嶋よしふみ FP)
■頭金を払わない方がリスクは低い。
中嶋:諸費用だけ現金で払ってフルローンだと、貯金が1000万くらい残ります。これに運用資産も含めると、老後まで触れない企業型DCを除いて金融資産が1600万くらい、ちょうど今の生活費の二年分ですよね。これくらいは残した方がいいという事になります。もっと貯金を残したいということであれば諸費用もローンで賄えます。 夫:生活費の2年分を残すべき理由は? 中嶋:そこは明確な基準があるわけではないのでざっくりです。収入が激減したり病気で働けなくなったり、そういう状況に備えて残しておくお金を生活防衛資金と言ったりします。3年分でも4年分でも良いんですけど、生活の立て直しにかかる時間を仮に2年と考えて、2年で立て直しが無理であれば、売却も含めたライフプランの大幅な変更をする必要があるかもしれない、ということです。 妻:2年で立て直せそうになければ売却した方がいい? 中嶋:必ずしも選択肢は売却だけではありませんけど、貯金の取り崩しが2年以上も続きそう、ということであればそれくらい大きな判断が必要になるかもしれません。リスク管理の視点で考えると、2年の猶予があるとはいえその時になってから売却を考えるより、事前に家を売る際の手順とかやり方を確認しておくとより安心かなと思います。 夫:なるほど。買うことしか考えていなかったので、そこも考えます。 中嶋:今は購入するしないで慌ただしいと思いますから。購入後に落ち着いてからで大丈夫です。あとは奥様のおっしゃっていた運用について、頭金を減らして残ったお金を運用、そういう話をする人もいますけど。今説明したように手元にお金を残すのは資金繰り、つまり支払いが出来ない状態に備えるためなんです。 中嶋:運用が大好きな人なら止めませんけど、そうでなければお勧めしません。借金して運用するのと同じですから。しばらく株価の調子が良いのでそういうことを言う人が多いだけ、ということです。 夫:妻も積極的に運用したいわけではないですし、僕もローンの額を考えるとさらに運用の割合を増やす気にはならないので。先ほどの諸費用でしたっけ? それだけ貯金から払って残りは全部ローンというプランでOKです。一旦計算してみてください。
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