この大学名、正しく読める…? 「難読大学」は、なぜ難しい名前なのか
読み方にこだわりのある大学も
関西学院大を「かんさいがくいん」と読む人は地元の関西では少ないが、関西以外で大学に詳しくない人は誤読することがある。なぜ、「かんせいがくいん」なのか。大学はこう説明する。 「『関西』を『かんせい』(当時はクヮンセイ)と読むのは、当時の学生気質が進取革新的で、東京をトウケイというように漢音読みする傾向があったので、本学の校名もそれにちなんだわけです。そしてそこには現在の学風につながる自由な発想がありました」(大学ウェブサイト)。 関西学院大は「くわんせい」にこだわりがあり、英文表記も「KWANSEI GAKUIN」となっている。 早稲田大や立命館大は、今はだれでも正しく読める。だが、大昔はどうだっただろうか。東京大や京都大などの都市名や、慶應義塾大や明治大などの元号といった、だれもが知っている言葉に比べれば、正しく読むのにはややハードルが高かったかもしれない。 だれでも読める大学。それが大学のブランド力を上げることにつながる。大学の努力次第だ。「難読大学」の将来は、多くの受験生が大学名を正しく読めることにかかっている。ただ、教育理念に強くこだわりすぎて、多くの人が一読して正しく読むのに降参してしまうところは、大学名を工夫したほうがいいかもしれない。
プロフィール
小林哲夫(こばやし・てつお)/1960年、神奈川県生まれ。教育ジャーナリスト。大学や教育にまつわる問題を雑誌、ウェブなどに執筆。『大学ランキング』(朝日新聞出版)編集統括。『日本の「学歴」 偏差値では見えない大学の姿』(朝日新聞出版・共著)ほか著書多数。
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