読者から厚い支持を得る「LDK the Beauty」が行う、「LAB.360」での“検証”とは
社内にラボを構え、検証精度を向上
ーラボを立ち上げた経緯を教えてください。 松下: 近年はコンテンツの信頼性が非常に重要になってきているので、弊社でも検証の精度をできる限り高めたいと思い、ラボを立ち上げました。 私はもともと試験機関に勤めていて、弊社の検証を外部からサポートする立場でした。ラボの立ち上げのタイミングで晋遊舎に声を掛けていただき、そこから携わっています。 ラボができる前は、外部試験機関に検証を委託する場合、結構な費用と時間がかかっていました。たとえば、一つの洗剤をテストするにも、1品3万円、2週間ほどです。 また、検証では科学的な根拠に基づいた試験を選択して数字を出すことが重要なので、商品テストを長年行ってきた研究員が常駐するラボができたことで、一つひとつの検証の精度も担保できるようになったと思います。
井上: 検証する場所が明確にできたことで、検証しやすくなりました。 以前は検査機械をその都度メーカーさんからリースしていたんですが、毎回借りるので、さすがに買ったほうがいいんじゃないかという話になって。 ラボでは、マイクロスコープや肌計測システム『VISIA(ビジア)』などを導入し、いつでも使える状態にしています。 また、ラボができたことでモニターさんにお願いする検証がしやすくなったとも感じています。たとえば、毛穴に関する検証をするときは、毛穴ケアができると謳われている洗顔料を使う前後で肌の状態を撮影して見比べます。 その日のうちに複数の商品を試したり、十数人のモニターさんにお越しいただいたりして検証することもあるのですが、その場ですぐ洗顔や撮影ができるので、スムーズに進めやすくなりました。
ー自社で検証すると、やはり検証のスピードは上がるのでしょうか。 松下: ラボで検証するアイテムは、年間6,000点ほどあります。アイテムごとに検証する内容は異なり、数時間で終わる検証もあれば、数日かかる検証もあります。 ラボでは、検証方法の検討・実施に加え、同時に多くの検証をこなすため、検証スケジュールと検証場所のコントロールを行い、最速・最短の検証完了を目指しています。 井上: 特に月刊誌の制作スケジュールはタイトで、企画・商品購入・物撮り・検証・ラフなどの作業を同時進行でやっていて。検証結果も、数日で出さないと間に合わないんです。 社内にラボがあると結果も早く出ますし、分からないことはすぐに聞きに行けます。研究員と連携しながら進められることはありがたいです。