ジオスターが金沢に北陸営業所開設。能登半島地震からの早期復旧、プレキャスト製品で寄与
日本製鉄グループでセグメント製品やコンクリート二次製品を生産するジオスター(社長・堀田穣氏)は金沢市に北陸営業所を11月1日付で開設する。今年1月の能登半島地震で大きな被害を受けた被災地近くに営業拠点を設けることで情報収集の迅速化と深化を図る。被災地に寄り添いながら工期短縮や省人化に寄与するプレキャスト製品の提案・供給を行い、早期の復旧・復興に貢献したい考え。 営業所は石川県金沢市入江3―3―2に設ける。本社営業第1部の下部組織としての位置付けで、当面は兼任者3人体制で活動。情報収集を進めるほか発注者やコンサル、ゼネコンへの営業活動を行いながらニーズへ迅速に対応する。 生産は「地産地消を旨としたい」(堀田社長)として北陸地区でのOEMによる製造委託工場での生産を基軸とするが、クレーン能力などに制約があることから重量物や高度な生産ノウハウが要求される製品については自社の金谷工場(静岡県島田市)、東松山工場(埼玉県東松山市)、橋本工場(和歌山県橋本市)などから供給する計画だ。 同社は地震で損壊した橋梁の路面段差をカバーする「プレキャスト踏掛版」や「ジオウェアカルバート」、コンクリート舗装版「高強度PRC版」、高強度コンクリート矢板や「HRC矢板」、プレキャスト桟橋など復旧工事のプレキャスト化に貢献する豊富な製品ラインアップを有する。 まずは「プレキャスト踏掛版」の需要が今下期から生じる見込みで、今年度7千万円規模の販売を想定する。2026年度以降の本格復旧時には「ジオウェアカルバート」を中心に約4億円を超える規模の販売となる見込み。 営業を統括する営業本部長の佐久間靖取締役常務執行役員は石川出身で「輪島など昔から親しんだ地が被災したということもあり何とかしたい気持ちは強い。より多くの被災地の声を聞きながら以前と同じ日常を取り戻すために尽力したい」と語る。堀田社長は「1日でも早い復旧・復興へ貢献したいという思い。一助となるべく積極的な活動を進めていく」としている。