森崎ウィン×本田望結、ドラマ「ふたりソロキャンプ」撮影の裏側&それぞれのこだわり:インタビュー
森崎ウィンと本田望結が、ドラマ『ふたりソロキャンプ』(TOKYO MXで2025年1月9日21時25分より放送が開始)に出演。森崎ウィンは、本作の主人公、孤独を愛する生粋のソロキャンパ―・樹乃倉厳。 本田望結は、厳に弟子入りを志願する、超初心者キャンパーの短大生・草野雫を演じる。『モーニング』(講談社)で連載中の『ふたりソロキャンプ』を実写ドラマ化。原作は累計300万部(紙・電子合算)を突破している、出端祐大氏の大人気コミック。経験者・初心者共に楽しめるノウハウや裏技、キャンプ飯レシピが満載の、キャンプバイブルともいえる新感覚のラブコメディ 。インタビューでは、森崎ウィンと本田望結の2人に撮影の裏側や見どころ、2人が師匠と仰いでいる人物について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】 ■森崎ウィンと本田望結、こだわりの役作り ――何年か前からキャンプにハマっている森崎さん。本作への出演は相当嬉しかったのでは? 森崎ウィン すごく嬉しかったです。いろいろなメディアが、僕がキャンプ好きだということを、インタビューなどで取り上げてくださったからこそ、今回の出演につながったと思っています。このお話をいただいた時は「この役は僕しかできない」というくらい強い思いがありました。ドラマに出演するということは、作品が伝えたいメッセージを背負うことになるので、プライベートで行うキャンプとは違った感覚があるのですが、撮影を行う度に「キャンプをしたい!」という気持ちがうずうずしてきてしまって、堪えきれず撮休のときにキャンプに行ってしまいました(笑)。 ――本田さんは撮影で森崎さんのキャンプ愛をすごく感じたのでは? 本田望結 はい。ウィンさんがキャンプ好きなのは知っていました。私の演じる雫はキャンプ超初心者ということもあり、あえて勉強せずに撮影に臨んだ私にとって、ウィンさんのキャンプ愛はすごく心強いものでした。初心者としての動きを雫は追求しなければいけなかったので、ウィンさんに初心者ならではの動きのヒントをもらおうと聞いてみたのですが、ウィンさんは、「僕ならこうするよ」って(笑)。 ――それを実行したら初心者じゃなくなってしまいますよね? 森崎ウィン あはは。 本田望結 「僕」じゃなくて「初心者」についてなんだけどな...と思っていました(笑)。もうウィンさんなのか厳なのかわからないくらい、キャンプ愛が撮影初日から伝わってきました。 森崎ウィン 望結さんはリアルにキャンプ初心者なので、僕が言ったことを素直に聞いてくれるわけです。そうなると自分はうんちくを言いたくなってしまう。多分すごくうるさかったと思います(笑)。 ――本田さんは“初心者らしさ”というところにこだわっていて。 本田望結 本当はキャンプについて勉強したかったですし、勉強をしていけばお芝居に自信もつきます。でも知ってしまうと嘘っぽくなってしまうと思いました。自分がリアルに初心者なんだからこそ、そのままの自分で行きたいと思いました。ウィンさんにいろいろ聞きたいけど、そこはグッと我慢しました。 森崎ウィン 無駄に知識が入ってきちゃうとね。 本田望結 知ってよかったこともありました。たとえば、キャンプ用語のイントネーションも、あえて正しいものとはちょっと違うものにしたかったんです。正しいイントネーションを知らない私にとって、ウィンさんがいろいろ話してくださることで、良いお芝居につながる部分もありました。 ――さて、森崎さん、見た目から樹乃倉厳に迫っていますよね。髭を生やしているのはめずらしいですよね? 森崎ウィン そうですね。オフの日に無精髭を伸ばすこともありますが、普段は剃っていることが多いです。見た目を追求していくなかで、厳はなぜ髭を生やしているのか? というところをみんなで話し合いました。厳は格好をつけるために髭を生やしているわけではなく、そこまで気が回らない人だからといった性格的なところが大きい。繊細な作業はキャンプに対してはできるけど、自分の見た目に関しては美意識はない人、そういうところから来ている髭だと思いました。細かいんですけど、ミリ単位で上下の髭の長さを変えたりしています。 ――すごい! 森崎ウィン アップで見ると長さの違いもわかると思います。ちょっと無精髭感が出たりする時もあったり、メイクさんと話し合いながらやっていました。 ――本田さんも雫を演じるにあたり、見た目へのこだわりはありましたか。 本田望結 はい。原作にリスペクトを持って追求しました。ヘアチェンジもできるスケジュールだったので、しっかり雫に近づけました。ただ、実写でしかできないことも大事にしたかったので、ちょっと“本田望結っぽさ”も残しつつ、雫が漫画から出てきたらどんな感じになるのか、というのを考えてつくりあげていきました。 ■毎日の目標は森崎ウィンを笑わせること ――本作のちょっと変わった見どころは? 森崎ウィン ドラマで登場するキャンプギアです。プロデューサーさんもキャンプがすごく好きで、キャンプ愛が人一倍あるので、キャンプギアに強いこだわりがありました。実際に原作に出てくるものばかりで、集めるのもスタッフさんはすごく大変だったと思います。販売が終了してしまったものもあったりするので、おそらくネットとか駆使して集めてくれたんじゃないかと思います。キャンプシーンによっては、リアルに僕がこのギアを扱うんだったらこう使うというのも盛り込んでいるので、普段キャンプをやっているからこそ出るもの。そういったものをさらっと出せたらいいなと思いながら撮影していました。 ――本田さんが思う隠れた見どころは? 本田望結 漫画に出てくる場所がドラマでも実際に出てくるところです。私はそれを知った時に「あ、ここに行けるんだ」ととてもワクワクしていました。河川敷も原作に登場する場所で、そこに橋があるのですが、現場に着いてその橋を見た時に、「うわっ漫画の世界だ」とテンションが上がりました。原作と同じ場所で撮影できることはすごくありがたくて、自分も原作の世界観に没入できますし、それが自信にもつながって、すごく心強かったですし見どころの一つになっています。 ――ところで、撮影の多くはロケだったと思うのですが、ロケならではのハプニングや印象に残っていることはありますか。 森崎ウィン ハプニングというわけではないのですが、ロッジに泊まった時があって、僕は人生初のロッジ体験となりました。ただ、雨風はしのげる程度の環境で、備え付けの布団が薄くて(笑)。寝袋を持っていけば良かったなと思いました。 本田望結 ロッジではリアルなキャンプ感を味わえました。その期間は近くにスタッフさんがいるからこそ、キャンプについていろいろ教えていただいたり、その日はスタッフの皆さんとの関係性がグッと近づけた気がします。 ――本田さんが撮影で印象に残っていることは? 本田望結 雫の行動や言動はクスッと笑えると思うのですが、それに対して厳は笑わないというところが、この作品の面白さの一つだと思います。実際、撮影をしていてそういったシーンでスタッフさんたちは笑ってくれるけど、厳は笑ってはいけない場面で、ウィンさんが素で笑ってくれると、私はそれがすごく楽しくて、“ウィンさんを笑わせる”というのを毎日の目標にしていました(笑)。 ■自然の素晴らしさが伝わったら嬉しい ――食事のシーンも見どころですが、特に印象的だったキャンプ飯は? 森崎ウィン 1話で登場する「ビア缶チキン」です。見た目のインパクトもあってとても印象に残っています。けっこう量も多いのでソロキャンプだと食べきれる自信はちょっとないんですけど、“ソログルキャン”で行く機会があったら挑戦したいと思いました。 ――“ソログルキャン”というのもあるんですね。 森崎ウィン ソロキャンパーが集まってキャンプをすることをそう呼んでいます。ちなみに『ふたりソロキャンプ』を業界用語で言うと“ソロデュオ”と言います。 ――本田さんはさまざまなキャンプ飯に挑戦されますが、作るのは大変でしたか。 本田望結 料理は好きなので大変ということはなかったです。好きなことを役を通してできることにとてもワクワクしていました。カットがかかった後にウィンさんが「これめっちゃ美味しい」と言っているのを見ると、私まで「ヨシ!」となってお芝居を超えた感覚があってすごく嬉しかったです。 ――特にお気に入りのキャンプ飯は? 本田望結 「簡単おつまみドライカレーセット」です。ピーマンの肉詰めみたいな感じで、ドライカレーを生ピーマンに詰めて食べるというのは新しい発見でした。すぐに自分で作って家族に食べてもらったぐらいです。 ――すごく美味しそうです。さて、厳と雫は師匠と弟子の関係ですが、お二人が師匠と仰いでいる方はいますか。 本田望結 日頃から師匠と呼ばせてもらっているのですが、小籔千豊さんです。幼い頃に出会ってから、大きい、小さい関係なく悩み事など相談は必ずしていて、私にとって人生の師匠です。 ――信頼しかない。 本田望結 はい! ビシッと怖くなってしまうようなことも言われたりするのですが、そういうところもすごく好きで、とても信頼をしている人です。 ――森崎さんもそういう方はいらっしゃいますか。 森崎ウィン 僕の師匠かあ…。実際に師匠と呼んでいる人はいないので、心の師匠と言えるのですが、音楽面ではブルーノ・マーズさんです。アーティストとしてエンターテイナーとしてトップにいる方なので、本当にすごいなと尊敬しています。俳優としてはウィル・スミスさんです。彼みたいなお芝居ができたらいいなと思っています。ただ、彼らのようになりたいということではなくて、お二人から学べることを学んで、取り入れるところは取り入れていきたいと思っています。 ――最後に本作を通してどんなことが伝わったら嬉しいですか。 本田望結 キャンプの魅力を伝えたいのはもちろんなのですが、私は雫の判断力、行動力から何か感じてもらえたら嬉しいです。私は考え込んだあげく、やっぱりやらないといった選択をしてしまうこともあるので、雫のように直感で行動できる人にすごく憧れます。雫のセリフから、私に足りないのはここだなと思うこともありました。ドラマを観ていただいて、直感に従って行動するスリリングさを感じてもらえたらいいなと思っています。私はそういう雫を演じたつもりでいるので、視聴者の皆さんも、雫の姿から何か感じてもらえたら嬉しいです。 森崎ウィン 僕がキャンプにハマった理由の一つが目の前に広がる自然なんです。もちろんキャンプギアとか自分の基地を作るみたいな感覚が楽しいというのもあるのですが、自然ってこんなに綺麗だったんだって。それを見るだけでも価値があると思いました。ふとした時に人間はこの自然に囲まれて生きているんだ、自然と共に生きているんだなって。自然豊かなところにいくと、心がリセットされる、洗われる感覚がすごくあります。キャンプを通じて、目の前に広がる自然の素晴らしさを感じてほしいです。このドラマが、皆さんにとって自然と向き合うきっかけになれば嬉しいです。 (おわり)