【凱旋門賞】日本勢夢散 シンエンペラー12着 矢作師「敗因をつかみ切れていない」
「凱旋門賞・仏G1」(6日、パリロンシャン) 大きな希望を持って世界最高峰の一戦に臨んだ日本勢だったが、今年も欧州の厚い壁に夢を阻まれ、シンエンペラー(牡3歳、栗東・矢作)は12着、武豊騎手(55)=栗東・フリー=が騎乗した愛国馬アルリファーは11着に終わった。勝ったのは2番人気の英国牝馬ブルーストッキング。2着に7番人気アヴァンチュール、3着には6番人気ロスアンゼルスが続いた。 またしても、日本勢の悲願は夢と散った-。日本調教馬としては延べ35頭目の挑戦。20年覇者ソットサスの全弟であり、愛チャンピオンSの好走から大きな期待を背負って挑んだシンエンペラーと坂井だったが、今年も欧州勢の高い壁にぶち当たる結果となった。 好スタートを決めて、道中は先行勢を見る形で馬群の外めを追走。いいリズムでレースの流れに乗れてはいたのだが、4角手前で鞍上が送ったGOサインへの反応が鈍い。ペースアップについて行けず、最後まで持ち前のしぶとい末脚が発揮されることはなかった。 初の凱旋門賞騎乗を12着で終えた坂井は「残念な結果にはなりましたが、やりたいレースはできました。馬の状態は前回と比べても良かったと思います。(ロンシャンの馬場も)そこまで苦にしている様子はなかったのですが、ちょっとずつ体力をそがれていった感じですね。直線に向いたところでついて行けませんでした。ただ、結果は出せなかったですが、レース自体は楽しかったですし、何もできなかったわけではない。チャレンジしていかないと勝てないので、今後の糧にしたい」と力強く前を向いた。 管理する矢作師は「残念以外ないですね」と悔しさを見せたが、シンエンペラーはまだ3歳。次のチャンスは必ず来るはず。「現状では敗因をつかみ切れていないというのが正直なところですが、今後しっかり分析をして、結果を残せるようにやっていきたい」。幾度となく常識をぶち破ってきた“チームYAHAGI”は、これからも飽くなき挑戦を続けていく。