無症状患者からの感染可能性「まだコンセンサスない」感染研など会見
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での新型コロナウイルスの集団感染について、国立感染症研究所などが20日夜、記者会見した。 【動画】無症状患者からの感染可能性「まだコンセンサスない」感染研など会見
同研究所の感染症疫学センター長を務める鈴木基氏は、乗客の発症者数について、5日に乗客の個室での管理を開始した後、7日をピークに減少していたとする分析内容を発表した。ただこの分析は、発症者のうち発症日の記録がある人が対象で、発症はしていないものの陽性である無症状患者のデータは含まれていない。
会見の中で、鈴木氏は、乗客の客室内での二次感染などの可能性について、「今回の個室隔離のオペレーションは、1人部屋の場合は完全に1人隔離になるが、複数人の2人、3人、4人部屋があった。その中で1人患者が発生した場合、陽性が確認されれば下船して入院となるが、その間に感染してしまい、発症しないまま同室者と過ごした中で、ある程度の感染があったと考えるのは合理的だと思う」とした。
無症状患者から他の人に感染する可能性については、「研究者の間でまさに議論されているところ。症状が出て次の方に感染させるリスクは確認されているが、症状が出る前にウイルス(検査)が陽性で、その人が感染させるかどうかに関しては、中国をはじめ海外からもいくつか報告は出てきているが、まだ研究者の間で『この程度のリスクはある』ということに関しては、必ずしもコンセンサスは得られていないと理解している」と述べた。