2023年の「合同会社」の新設法人、初の4万社超 他の法人格にはないメリットとインボイス制度が寄与か
産業別 7産業で増加
合同会社の産業別は、10産業のうち7産業で前年を上回った。減少は、金融・保険業1,511社(前年比5.4%減)、農・林・漁・鉱業592社(同3.8%減)、不動産業4,425社(同0.02%減)。 一方、増加率のトップは、建設業2,482件(同31.6%増)だった。次いで、サービス業他の1万8,016社(同13.9%増)、運輸業732社(同10.0%増)、情報通信業4,941社(同9.9%増)が続く。 増加率の高い産業は、一人親方などの建設業や、飲食店などのサービス業他、軽貨物運送など運輸業、システムエンジニアなど情報通信業が目立ち、小・零細規模の個人事業主が法人化したケースが多かったようだ。
業種別 学術研究,専門・技術サービス業が最多
産業別をさらに細分化した業種別では、最多は経営コンサルタントなど学術研究,専門・技術サービス業が6,502社(構成比15.9%、前年比17.7%増)と増加した。次いで、ソフトウェアの開発など情報サービス・制作業の4,850社(同11.9%、同9.6%増)、不動産業の4,425社(同10.8%、同0.02%減)、飲食業の2,828社(同6.9%、同17.1%増)が続いた。
都道府県別 増加率トップは岩手県、減少率は長崎県が最大
都道府県別で合同会社の新設法人数の最多は、東京都の1万2,876社(構成比31.6%)で、全体の約3分の1を占めた。次いで、大阪府3,333社(同8.2%)、神奈川県3,031社(同7.4%)と続く。 前年との増加率は、トップが岩手県の前年比35.8%増(163社)だった。2位は鳥取県の同34.9%増(112社)、3位は宮城県の同26.1%増(444社)で、3県ともに2022年に前年から減少した反動が影響したようだ。 一方、減少率の最大は、長崎県の同25.0%減(180社)だった。長崎県は2022年も前年比4.7%減の240社と減少が続き、合同会社の人気が落ちている。次いで、福井県の同13.6%減(120社)、佐賀県の同9.7%減(121社)で、前年を下回ったのは10県だった。