小倉智昭さんと「とくダネ!」で20年共演した笠井信輔アナが明かす「最後の会話」と「番組の黄金時代」
■最後は「ガン友」として付き合うことに 小倉さんも笠井さんも、”がん友”として互いに励ましあいながら闘病生活を送った。小倉さんはがんを患いながらも仕事への情熱を燃やし、「自分自身」についても報道した。 「小倉さんも私も、長年にわたって、人のプライバシーで仕事をしてきました。芸能人の結婚も離婚も伝えてきましたし、亡くなった方の訃報も伝えてきました。プライバシーにかかわることを伝える商売をしてきて、じゃあ、いざ自分がプライバシーの問題を抱えたときに、それは出せませんっていうのは違うのではないか。小倉さんという師匠の背中を見ながら、自分もこういう風に生きなければならないと思いました」 笠井さんもステージ4の悪性リンパ腫になり、4カ月半の入院生活を余儀なくされたが、病室から自分の症状をメディアに発信した。 小倉さんは亡くなる1カ月前、自宅にゲストを招きトークを繰り広げる番組『小倉ベース』(フジテレビ系)の収録をした。最後のゲストはEXILEのHIROと女優の松本若菜だった。 「次第に体も動かなくなっていったので、最後に残ったテレビ番組が自宅で収録する『小倉ベース』だったんです。77歳の誕生日のとき、『次は80歳だな』と言っていたから、80歳まで生きたかったんだと思います。でも、小倉さんも納得のいく人生だったと僕は思っています」 笠井さんの周りでは、いずれ「お別れ会」をやろうという話が持ち上がっている。そこではまた小倉さんとのたくさんの思い出話に花が咲くだろう。 (AERA dot.編集部・上田耕司)
上田耕司