「ところで、私は所得税いくら払ってるの…?」だと!課税所得ゼロのパート妻が通ぶって「無策の増税メガネ」批判。夫が抱える「どうしようもないモヤモヤ」
令和6年度の税制改正で、2024年分の所得税・住民税の徴収額から定額が控除されることとなり、実施までカウントダウンの状態となった。これにより対象者は、納税者本人だけでなく、同一生計配偶者または扶養親族1人につき所得税3万円、住民税1万円が減税されることとなる。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、今年限りのこの所得税等減税についてこう語る。 「今回の定額減税、自治体や企業の経理・総務にまたまた新たな負担を押し付けているとの不満が噴出していますよね。専門家でさえ手を焼くというほどの制度内容のわかりにくさに対しても、批判の声が集まっています。 容易には理解できない複雑怪奇な措置ではありますが、狙い・対象者・問題点など、概要だけでも知っておかなければ、この制度のへんてこさにツッコミを入れることさえできません。これは、引いてはこの先の政策や選挙をどう考えるかにも繋がっているのです」 実施を目前に控えた定額減税に対する理解は、広く一般に進んでいるのか。取材したのはある既婚男性。妻の経済オンチ、政治への無関心に危機感を覚えているという会社員だ。 「今回の減税、仕組みが凄くややこしいですよね。僕も何回読んでも聞いてもよくわかりません。専門家の方の解説などを見て概要をわかりかけるんですが、知れば知るほど何でこんなややこしいことをするのかがわからなくなります」 こう話すのは33歳の三輪陸斗さん(仮名)。一方、陸斗さんの妻は定額減税はおろか、身の回りの基本的な経済についても全くわかっていないし、わかろうともしないという。あまりに無知で無関心なので、とても周囲の人間には話せない、と陸斗さんは語る。
「妻は経済のことが全くわかっていません。経済というレベルでもありません。たとえば今わが家は子供をプリスクール(※英語教育に特化した未就学児保育施設)に通わせています。プリは概ね認可外で、全額ではないですが補助があります。 この補助の財源が消費税の引き上げ分であると僕は聞いたことがありますが、妻は恐らく、国が負担する=自分たちの税金ということ自体をよくわかってないのです」 陸斗さん夫婦は結婚7年目。4歳の男の子がいる。 「なんでプリは全額無料にならないのか、増税メガネは本気で少子化に取り組む気があるのか、といっぱしに批判までしています。不公平だと。どんな制度で財源はどうとか、そんなのはどうでもいいんでしょうね。『少子化なんだから当たり前じゃん』と言うだけ」 実際の不公平がどこにあるのかを理解できておらず、無知なうえに自分本位だ、と妻を批判する陸斗さん。 「それでいて妻は子供の教育に熱心です。幼児教育にもこだわりが強く、英語を勉強できるプリスクールに入れたいと懇願された結果、根負けして通わせてます。補助が出ても普通の幼稚園よりもかなり費用は高いです」 陸斗さんは、プリスクールではなく普通の幼稚園に通わせればいいと考えていた。同じ費用をかけるなら将来に回した方が良いように思えたためだ。しかし、妻は頑なにプリスクールにこだわった。言い出すと聞かない彼女の性格にもうんざりしている。 「僕も受験英語しかやってこなかったし、妻は英語自体が大の苦手。子供はプリスクールを出たあと公立小学校に入る予定なので、たとえプリで英語力が身についても、小学校に上がればすぐ話せなくなるだろうと僕は予想してます」 身の丈に合った生活と教育を考えたかったと語る陸斗さん。 「プリスクールから公立小に入る子は少なくないらしいのですが、親が日常のなかで英語力を鍛えてやれる家庭でもない限り、卒園後にはあっという間に英語を話せなくなるという噂です。 英会話を教えられない夫婦の子供が通って、何か意味があるのでしょうか。そもそも肝心な日本語力の成長が心配……」 そして、妻の教育熱心ぶりに冷ややかな視線を送ってしまう理由がもう一つ。 「妻はわりと名前の知られた女子短大を出ているのですが、世間知らずで無知なんですよ。特に政治経済は弱いですね。知り合った頃は見た目が好みすぎて気づかなかったけど、実は中学生の知識レベルにも及ばないのではないかと」 現在30代前半だという妻について、例えばどのような時に経済オンチだと感じるのか。 「最近、円安が凄いことになりましたよね。それをニュースでやっていた時に妻は『将来、円安って何?って子供に聞かれたら何て答えればいいの?』と聞いてきました。私も何となくしかわかっていない、と言うんです。子供をダシにして、知らないと正直に言わないところが潔くないですね」