「旅行・宿泊業」の新設法人 4年ぶりに1,500社超、コロナ禍から反転 インバウンド需要で地域差が拡大
旅行・宿泊業の新設法人 2023年は4年ぶりに1,500社超え
旅行・宿泊業の新設法人は、2015年(1,062社)から5年連続で1,000社を超え、ピークの2019年では1,621社に達した。だが、2020年からのコロナ禍で入出国や国内移動が制限され、観光市場は急速に冷え込み、新設法人は1,000社を割り込んだ。2020年から2022年まで3年連続で1,000社を下回ったが、2023年5月に新型コロナが5類へ移行するとインバウンド需要が盛り返し、新設法人は1,560社と急増した。 2023年の旅行業の新設法人は520社で、前年の273社から約2倍(90.4%増)に急増。2019年の477社を上回り、直近10年間では過去最多を更新した。 一方、宿泊業は、2023年は1,040社(前年比46.8%増)と大幅に増え、コロナ前の2019年の1,144社には届かなかったが、4年ぶりに1,000社台に乗せた。
地区別・都道府県別 旅行業の最多は関東、コロナ前と比べ中部は4割増
地区別の2023年新設法人は、旅行業は関東が250社(構成比48.0%)で最も多く、約半数を占めた。次いで、近畿117社(同22.5%)が続き、九州64社(同12.3%)、北海道と中部が各30社(同5.7%)、東北9社、中国8社、四国7社、北陸5社の順。 コロナ前の2019年との比較では、中部が42.8%増(2019年21社)で増加率は最大だった。次いで、九州36.1%増(同47社)、近畿30.0%増(同90社)が続く。一方、減少率は中国38.4%減(同13社)が最も大きかった。 都道府県別では、最多は東京都の176社(構成比33.8%)で、3割超を占めた。このほか、大阪府78社、福岡県35社、北海道30社、神奈川県22社、埼玉県と沖縄県が各19社で続き、11都道府県は10社以上の設立があった。一方、山形県、栃木県、和歌山県、鳥取県、山口県の5県は旅行業の設立がなかった。 旅行業は人口の多い都市圏に設立が集中したほか、観光客に人気の高い北海道や沖縄県などは、国内外の観光客向け旅行サービス業の設立がみられた。