兵士向け「医療列車」公開 前線の負傷者搬送
【キーウ共同】ウクライナ国鉄は14日、前線で負傷した兵士を搬送する「医療列車」をメディアに初めて公開した。できるだけ早く治療を施し、医療環境の整った安全な場所に運ぶ目的で2022年2月の侵攻開始直後から活用されてきた。 担当者によると、列車の最高時速は約80キロ。4両ほどを一つの列車として運行する。現在は62両が稼働しており、年末までにさらに8両増える予定。 それぞれの車両に5~10床のベッドが設置され、人工呼吸器なども備える。集中治療室(ICU)として利用する車両もある。医師や看護師が治療に当たりながら移動できる。 これまで治療した人数は明らかにしていないが「列車で死亡した負傷兵はいない」(ウクライナ国鉄幹部)という。 東部ドネツク州の前線で脚に重傷を負ったセルヒー・マムジンさん(43)は、東部ドニプロから首都キーウ(キエフ)まで列車に乗った。「激しく揺れる救急車で運ばれていたら、私は脚を失っていただろう」と話し、医師らの治療に謝意を示した。