巨大風力発電「考える会」発足 首長への要請活動展開 北海道・豊富、道北全体の事業対象
陸上風力発電の風車建設が進む北海道豊富(とよとみ)町で3日、町民有志による「道北の巨大風力発電を考える会」が発足した。町内で酪農牧場などを経営する久世薫嗣(くせ・しげつぐ)さん(80)が世話人を務め、当面は会員20人程度でSNS(交流サイト)を活用した情報共有を行う。久世さんは「他のグループなどとも連携していきたい」という。 久世さんは町内で酪農牧場とチーズ工房を経営。今年に入り、工房から約2キロメートルの場所で風車建設が始まり、テレビ電波の受信障害など日常生活に影響が出るようになったことが「風車事業に関心を持つきっかけになった」という。考える会として今後、「必要があれば地元首長に直接要請する活動なども行いたい」としている。 会を発足した3日は北海道豊富(とよとみ)町内で初の勉強会を開催。町内外から約30人が参加し、「風力発電を地域から考える全国協議会」の佐々木邦夫共同代表の講演などが行われた。 道北地方では5月時点で170基を超える巨大風車が稼働中。自然環境への影響を懸念する市民有志らが個別事業に対し反対運動などを行うケースはあるが、道北地方全体の風力発電事業を対象に団体として活動するケースは珍しい。(坂本隆浩)