三度目の正直、ヤングなでしこは“最強の相手”北朝鮮に勝てるのか!? 土方や松窪、小山ら主軸の活躍だけでは...【U-20女子W杯決勝展望】
テクニックとパワー、勝負強さをハイレベルに兼ね備えたチーム
狩野倫久監督が率いる“ヤングなでしこ”ことU-20日本女子代表にとって最強の相手が、U-20女子ワールドカップの決勝に来たことは間違いない。 【画像】U-20女子ワールドカップに挑む!笑顔でポートレート撮影に臨んだヤングなでしこを特集!(Part1) 対峙するのは北朝鮮。今年3月のU-20女子アジアカップで、グループステージと決勝で敗れている。そして南米大陸のコロンビアで開催されている今回の大会で、優勝候補の一角と見られたブラジル、アメリカを立て続けに破って勝ち上がってきたが、ここまでの戦いぶりを見ても、テクニックとパワー、勝負強さをハイレベルに兼ね備えたチームだ。 4-4-2をベースにコンパクトな布陣を整えながら、ハイプレスとローブロックを使い分けてくる。初戦はアルゼンチンに6-2という結果。ただ、相手のスーパーゴール2発を食らった形で守備が崩された印象はない。 その後の5試合はいずれも無失点で、特にアメリカとの準決勝ではセンターバックのハン・ホンリョンを中心とした鉄壁のディフェンスには目を見張るものがあった。サイドからアメリカに何度か危険なシーンは作られたが、とにかく中央で絶対にフリーにさせないディフェンスの集中力は素晴らしく、組み立て能力の高いボランチの小山史乃観や10番の松窪真心を中心とした中央突破を得意とする日本にとっても厄介だ。 攻撃は基本的にロングボールよりもライン間を使った丁寧なビルドアップがメインだが、サイドから積極的に斜めのクロスを入れてきたり、2トップを裏に走らせるロングスルーパスなどを繰り出してくる。 さらにサイド攻撃だけでなく、中央でワンタッチパスを2、3回連続で繰り出してフィニッシュに持ち込むなど、崩しのバリエーションは豊富だ。ただ、日本にとって最も厄介なのは、フィールドのほぼ全員がミドルで得点できるシュート力を備えていることだ。 キャプテンでセットプレーのキッカーを務める右サイドハーフのチェ・ウンヨンをはじめ、背番号9を付けるボランチのキム・ソンギョン、U-20女子アジア杯の決勝で日本から2得点を奪った左サイドのチョン・リョンジョンなど、中盤の選手たちはボールを持って前を向いたら、常に直接ゴールを狙っていると考えていい。 もちろん、最も警戒しないといけないのが、ここまでの6試合で5得点のFWチェ・イルソンだ。日本の土方麻椰に並ぶ、今大会でも最高のストライカーの一人。左足のシュートが武器だが、状況に応じて右足も器用に使ってくる。 エースストライカーのチェ・イルソンと2トップを組む相方が、アメリカ戦と同じシン・ヒャンで来るのか、ブラジル戦の前半にアクシデントで交代したハム・ジュヒャンがスタメンに戻ってくるかは不明だが、日本のディフェンスがチェ・イルソンに引っ張られすぎると、もう一人のFWにまんまとゴールネットを揺らされるリスクは大いにあるだろう。
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