松本穂香”鹿乃子”の笑顔がまぶしい…鈴鹿央士”左右馬”の発想の転換に驚いたワケ。『嘘解きレトリック』第10話考察レビュー
鈴鹿央士&松本穂香がW主演を務めるドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)が放送中。本作は、借金まみれの貧乏探偵とウソを聞き分ける能力者の異色コンビによる、レトロモダン路地裏探偵活劇。今回は、第10話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】松本穂香のほほ笑みが愛らしい…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ 『嘘解きレトリック』劇中カット一覧
母・フミ(若村麻由美)がついた嘘の真意とは?
『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)第10話では、鹿乃子(松本穂香)の母・フミ(若村麻由美)が、九十九夜町にやってきた。鹿乃子が実家を出るとき、「辛いことがあったら、いつでも帰ってきていいんだからね」と声をかけたフミ。 しかし、そう言われた瞬間、鹿乃子の耳には嘘の音が鳴り響いていた。つまり、フミは鹿乃子に“帰ってくるな”と思っていた(?)ということ。たしかに、嘘を聞き分ける能力を持つ娘と暮らすのは何かと気を遣うだろうし、村の人々の目だってある。 それは分かるけれど、大事な娘に対して、そんなふうに思うのはひどい親なのでは…? と思っていた。 しかし、それはすべて勘違いだったということが明らかになる。鹿乃子は、真実と嘘を見抜くことができても、その言葉の奥にある真意を理解する力はない。フミが言った「辛いことがあったら、いつでも帰ってきていいんだからね」という言葉には、たしかに嘘が含まれていた。 ただ、それは鹿乃子が邪魔だから、出て行ってほしかった…というわけではない。村にいても鹿乃子が辛い思いをするのなら、帰ってこない方がいいのでは? と思ったから、嘘の音が鳴り響いただけだった。 『嘘解きレトリック』を観ていると、そもそも“嘘”ってなんだろう? と考えさせられる。たとえば、人間の心はグラデーションのようになっているため、100%の“真実”など、この世には存在しないのでは? と。 ただ、嘘を聞き分ける能力も、真実を見抜く力もないわたしたちは、自分の感覚を信じていくしかない。「この人が言っていることなら、信じたい」と思える人との出会いを、大事にすること。鹿乃子が言っていたように、「信じてもらうこと、信じることで心が強くなる」はずだから。