ブルネロ クチネリの知られざる3の真価とは?
最高級カシミヤを使用したアイテムを主軸とするイタリアのラグジュアリーブランド「ブルネロ クチネリ(Brunello Cucinelli)」。上質な素材と高い職人技術によって生み出されるこだわりのアイテムだけでなく、イタリアの小さな村と共に生きる独自の人間主義的経営で「世界で一番美しい会社」と称されるほど、経営面でも注目されるブランドだ。今回は、そんなブルネロ クチネリにフォーカスし、歴史や手掛ける服の特徴、おすすめアイテムを解説していく。
「ブルネロ クチネリ」とは?
ブルネロ クチネリは、色鮮やかなカラーカシミヤセーターのメーカーとして1978年に誕生したブランドだ。「スポーツ・シック ラグジュアリー」をコンセプトに、カシミヤをはじめとしたラグジュアリーな素材を使い、メイド・イン・イタリーのクラフツマンシップが光る上質なコレクションを展開。現在は紳士服、婦人服、子供服からライフスタイルにまつわる雑貨、アイウェア、フレグランス、アクセサリーまでを総合的に展開する最高級アパレルブランドとして知られている。 編集部 橘「多くのラグジュアリーブランドが巨大コングロマリットに吸収合併される一方で、ブルネロ クチネリは家族経営の独立系ブランドとして成長し続けています。「クワイエットラグジュアリー」の代表格としても注目されており、自らは、森羅万象とのハーモニーを大切に企業活動を行う「ジェントルラグジュアリー」を提唱。2023年には、2019~2028年の10ヵ年計画で予定されている、2019年の売上6億780万ユーロの倍増を、2024年には達成するであろうという見通しを発表しています。」
ブルネロ クチネリ社は1978年に創業後、ビジネスの拡大に伴い、1982年にブルネロ・クチネリ氏の現在の妻の故郷、イタリア ウンブリア州にある小村ソロメオに本拠地を移転。ソロメオ村は以後、ブランドの精神と哲学を象徴する場所となっていく。1985年には、ソロメオ村にある14世紀の古城を買い取り修復して本社兼工場に。その他にも、地域に代々受け継がれてきた職人の技巧を後世に伝えるべく、職人学校を設立。学びに集中できるよう奨学金で学費免除、さらに給与も支給される体制を構築した。また、アマゾン社のジェフ・ベゾスをはじめ、シリコンバレーの名だたるIT企業の創業者やCEOがソロメオ村を訪れて、シンポジウム(「魂と経済のシンポジウム」)を開催するなど、数々の逸話を残しているブルネロ クチネリ。ここからは、そんなブランドへの理解を深めるために押さえたい3つのポイントを紹介していく。