α世代向けマーケティングは、もう始まっている! 子どもに刺さっている企業や製品を観察してみた
知育アプリ「ごっこランド」が生むブランド認知の力
ある日、上の子に「カロリーメイトを食べたい」と言われました。私たち夫婦にカロリーメイトを食べる習慣はなく、家にも買い置きはないし、どこで知ったのかと不思議に思っていたら「ごっこランド」というアプリで知ったとのことでした。
「ごっこランド」は、株式会社キッズスターが提供している知育アプリです。実在する企業やブランドの体験型コンテンツを通じて社会の仕組みを学べます。コロナ禍の自粛生活中に、子どもが安全に遊べるアプリを探していたときに見つけて使い始めました。 元々はサービス内容に惹かれてというよりも、アドネットワークから配信されている広告が表示されないアプリを探していました。 というのも、子どもがアプリで遊んでいる途中に広告が表示され、広告で中断されるたびに機嫌を損ねてしまったり、うっかりタップしてしまったり、子どもに不適切だと思われる広告が配信されるということがあったからです。 その点、「ごっこランド」はアプリの内容そのものが企業広告なので、そうした心配はありません。 サービス開始は2013年だそうですが、現在は70以上の業界を代表する企業・ブランドが出店していて、さまざまなゲームがあります。 子どもが興味を持ったのは、大塚製薬の「カロリーメイトをつくろう」というゲームです。材料を混ぜたり、焼いたりというプロセスを工場見学のような気持ちで楽しめます。
プロセスの中で、原材料や焼き方の工夫についての説明があり、商品についてより詳しく知ることができます。そのプロセスが刺さったのか、食べてみたくなったようです。
カロリーメイトは購入まで至った例ですが、他にも銀座コージーコーナーの店舗を見て「あれ、知ってる! ケーキ作ったことあるよ」と言われたり、ドラッグストアでセザンヌ化粧品の商品を見て「お母さんはセザンヌの化粧品を買わないの?」と聞かれたりと、確実にブランド名が子どもに浸透しているのを感じます。 そうした体験からも、「ごっこランド」が、楽しみながらブランドを深く知ってもらえる場所になっていると思います。