障がいのある人もない人も、住人みんなで自主管理の「コレクティブハウス大泉学園」。料理は定期で当番制、居室リノベなど大事なことはみんなで決める自立スタイルの暮らし 東京都練馬区
障がいのある人とない人が共に暮らしている「コレクティブハウス大泉学園」。シェアハウスとはひと味違う、居住者たちがフラットに話し合いながら、住まいの運営や、暮らしのルールなどを決めていく、コレクティブハウスの仕組みとは? コレクティブハウスの運営をサポートするNPO法人、コレクティブハウジング社・理事の宮前眞理子(みやまえ・まりこ)さんと、入居者であるKさん(54歳)、Nさん(57歳)に話を聞きました。
住人同士が緩やかにつながる「コレクテイブハウス」とは
コレクティブハウスとは、北欧を中心に始まった住人たちが「共に創り、共に暮らし、共に生きていく集合住宅」をコンセプトに、住む人たちがフラットな話し合いを重ねて共同生活を自主運営する住まいです。この、隣人と協働しながら助け合う暮らしのアイデアは、1990年ごろに日本にも入ってきました。
コレクティブハウスの仕掛け人の一人であり、建築士でもあるコレクティブハウジング社(以下、CHC)の宮前さんが最も大切にしているのは「多様性」。暮らす人は、若者でも高齢者でもOK。国籍や考え方もいろいろあっていいという考え方です。 シェアハウスとの違いの一つは、個人が暮らすスペースが部屋ではなく独立した住戸であること。誰しも、具合が悪いときや人とは顔を合わせたくないときもあるはず。家が一人で過ごせる快適な場所であることが大事です。そして住人誰もが行き来できるコモンスペースがあること。ただ共用部分があるだけではなく、住人たちが自然とコモンスペースに集う仕組みがあるのが特徴です。定期的に一緒に食事をつくって食べたり(コモンミール)、ハウスの暮らしを維持していくための役割を分担したり、運営方針を決めていく話し合い(月一会、つきいちかい、月に1回の定例会)をしたりすることで、住人の間に緩やかなつながりができます。
障がいのある人とない人が一緒に住まう家、コレクティブハウス大泉学園事業の組み立て
コレクティブハウス大泉学園は、建設会社(ライト工業)の元独身寮を不動産会社(平和不動産)が借り上げてリノベーションし、 CHCが支援するコレクティブハウスとして活用しています。さらに、オープンの5年後から、全13室のうち5室を地元で障がい者支援をしている社会福祉法人「つくりっこの家」が借りあげ、「グループホームみなとや」として精神疾患のある住人の生活サポートをし、入居を支援している点が特徴です。
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