【闘病】看護師が「乳がん」になって初めてわかった"患者さんの大変さ"
看護師が患者になって、はじめて気づくこと
編集部:どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? はづきさん:サイズも小さく、リンパ節転移もなく、まず化学療法と分子標的薬を使用後、手術をするということでした。 手術は部分切除で大丈夫で、その後、残った乳房に放射線治療をしてホルモン剤を飲むという治療計画でした。治療をすれば全く問題のない状態なので、これ以外の治療はお勧めしませんと説明されました。 編集部:そのときの心境について教えてください。 はづきさん:「うーん。それって乳がんの治療全部やん」って思いましたが、それが標準治療であり、統計学的に確立された治療なので「仕方ないか」と落ち着いていました。冷静に「長くなりそうやなぁ」とも考えていましたね。 編集部:実際の治療はどのようにすすめられましたか? はづきさん:4月からハーセプチン(トラスツズマブ)、パージェタ(ペルツズマブ)、ドセタキセルという薬を3週おきに4回、その後エピルビシン、エンドキサン(シクロフォスファミド)を4クールおこなって、抗がん剤治療が終了しました。 血管がなかなか出なくて、何度も針の刺しなおしすることがつらく、5月に上腕ポートを作成しました。 9月末に右乳房部分切除術を行い、11月から放射線治療を16回約4週間通院。その間にホルモン療法の内服を開始しました。現在はホルモン剤の内服に加え、分子標的薬も3週間おきに点滴しています(取材時)。 編集部:受診から手術、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 はづきさん:看護師として働いていますが、自分が治療を受ける側になってはじめて、患者さんってすごく大変だなと感じるようになりました。治療を受けるためにも我慢しないといけないことがたくさんある事に気づきました。 抗がん剤治療の時、朝8時半に病院について採血の順番を待ち、診察の順番を待ち、抗がん剤治療のベッドが空くのを待ち……と。 1番遅い時は、朝8時半から夜の19時過ぎまでかかることもありました。それだけでくたくたに疲れてしまい本当につらかったです。また、こんなに多くのがん患者がいる事にも驚きました。 編集部:そのほかには? はづきさん:あとは、個人差や術式にもよると思いますが、手術って筋肉を切らないと大して痛くないのにも驚きました。 手術当日、術後2時間で自力で歩いてトイレに行ったのもなかなかの衝撃でした。自分の働いている病院は、同じ手術でも翌朝まで安静なので、病院によって違うんだなぁと感じたのを覚えています。