【独占】「ビッグモーター」新社長に初密着…現役社員が明かす“深い闇”
今回のテーマは、「追跡!ビッグモーター」。 ガイアのカメラだけが見たビッグモーターの闇とは。和泉信二社長(54)にメディア初の密着取材を敢行。果たして、深い闇に潜む“膿”を出し切ることはできるのか…徹底追跡する。 【動画】「ビッグモーター」新社長に初密着…現役社員が明かす“深い闇”
ガイアだけが見た「ビッグモーターの闇」…“膿”は出し切れるのか!?
10月。埼玉県にある「ビッグモーター熊谷店」に、1台の車がやってきた。降りてきたのは、ビッグモーターの和泉社長。熊谷店は、全国約250店舗の中でトップクラスの営業成績を誇っていたが、その状況は一変してしまった。週末にもかかわらず、お客の姿はわずか。「安心して利用していただけるように体制を立て直していきますので、引き続きよろしくお願いします」。和泉社長は客に頭を下げて回る。
ビッグモーターは、保険金を水増しして不正に請求していたことに加え、除草剤で街路樹を枯らすなどの問題が相次いで発覚。全国に6000人いた社員は、現在5000人ほどに。負の遺産を背負ったのが和泉社長だった。 1976年。兼重宏行前社長は、山口・岩国市で、ビッグモーターの前身となる「兼重オートセンター」を創業。和泉氏は自身の車を売りに岩国店を訪れた際、店長にスカウトされ、23歳で入社。4年目には店長となり、37歳で専務に就任。その後ろ盾になったのが、兼重前社長だった。
全国に約250店舗、売上高約6000億円を稼ぎ出していたビッグモーター。併設された広大な展示場で、個人から直接買い取った中古車を並べて販売するのが特徴だ。 点検や整備だけでなく、板金・塗装ができる工場も併設。損害保険も扱うなど、車に関する“ワンストップサービス”を全国で展開し、業界トップに昇り詰めた。 その原動力でもあるのが、給与水準の高さだ。去年の採用ホームページには、入社2年目で年収2480万円、5年目で3370万円と書いてあり、ある店長の去年の年収を見せてもらうと、3000万円に迫る額だった。
そのビッグモーターの実権を握っていたのが、兼重前社長と長男の宏一前副社長だ。7月以降、公の場に姿を見せておらず、ガイアの取材班が「兼重前社長とどれくらい会っている?」と聞くと、和泉社長は「今までは月に2回くらい、進捗を…」と答えた。 2000年代中頃から上場を目指してきたビッグモーター。和泉氏も株式を保有していた。しかし、2015年、宏一氏が取締役に就任。和泉氏は徐々に経営の中心から外されていく。その後、上場の方針が撤回され、宏一氏が実権を掌握。和泉氏は株を手放し、ビッグモーター株は事実上、兼重親子が100%保有する形に。