【1.3万社超の支援データをAIが学習】いつも.望月智之氏「『いつもAI』で支援の質と量が飛躍的向上」
「Amazon」のAMCを活用した支援とは?
――マーケティング面でのAI活用の状況は? 検索から入ってくる顧客を増やすためには、広告かオーガニック(自然流入)を強化することが多い。いずれにせよ自社の商品がどういうキーワードを狙うべきか、そのキーワードは他社より勝ち得るキーワードなのか、などを分析して対策する必要がある。 ただ、キーワードは無限にあり、やみくもに分析してもきりがない。当社はキーワードごとのパフォーマンスのデータを蓄積しており、キーワードの検索ボリュームを予測できる。そしてAIを活用することで、」クライアントの商品と相性の良いキーワードを抽出することが可能だ。 注力するべきキーワードだけ分かっても意味がない。当社はそのキーワードに対して、売るための知見があり、それを生かして販売促進につなげる。 ――「Amazon」のAMCを活用した支援とは? 「Amazon」は一部の大手パートナーにのみ広告運用のソリューション「AMC(アマゾン・マーケティング・クラウド)」を提供している。当社も「AMC」を活用したマーケティング支援を提供できる。 「Amazon」においても、ただ商品を並べて、広告を出すだけで売れるという時代は終わった。「AMC」を活用すれば、過去に購入履歴のある顧客に再購入を促したり、休眠顧客にアプローチしたりすることができる。リピート性のある食品や健康食品、化粧品などでは特に効果を発揮できる。 リピート顧客だけではなく、潜在顧客にもアプローチできる。過去に同じような商品を購入したユーザーや、購入しなかったけどカートに入れたユーザー、閲覧した履歴のあるユーザーなどにディスプレイ広告を表示し、自社の商品の認知向上や購入促進につなげることも可能だ。 「AMC」を活用しているクライアントでは、かなり実績が出ている。 ――SNSを活用した集客支援の内容は? インスタグラムやYouTubeなどECモールの外から集客するサポートも手がけている。大型セールの前に外部から集客し、セール時の順位やパフォーマンスをブーストさせるケースが多い。外部集客はモール内の施策よりもパフォーマンスが落ちるので、平常時は外部集客を止めるなど、タイミングを見計らって取り組んでいる。 ――今後、支援サービスでさらに注力する取り組みは? 今後は、AIをうまく活用できる会社のみが勝っていけると考えている。EC運営はかなり労働集約的な面があり、この課題をAIで解消できるかが生命線となる。 単純作業を楽にするというよりは、売り上げを伸ばすための有効な業務にAIを駆使できるように、さらに支援領域を広げていきたい。
「日本ネット経済新聞」記者 手塚 康輔