サウジアラビア総合娯楽庁長官、米老舗専門誌「ザ・リング」の買収を発表 井上尚弥が2位のPFPどうなる?
サウジアラビア総合娯楽庁長官のトゥルキ・アルシェイク氏が12日、自身のSNSでボクシング界で最も権威がある米国の老舗専門誌「ザ・リング」を今週初めに100%買収したと発表した。「ザ・リング」は2022年11月、12月合併号を最後に紙媒体による印刷版の発行を終了し、デジタル版のみの発行となっていたが、「すぐに復活し、米国と英国の市場で販売されます」と印刷版の発行を再開するとした。 【写真】プライベートジェットでサウジアラビアに向かう井上尚弥 「ザ・リング」はアルシェイク氏が総責任者を務めるサウジアラビア国営の国際娯楽イベント「リヤド・シーズン」とは一切関係なく、完全に独立した会社となるとしており、「最終的には、ボクシングのバイブルを過去に見たことのないような高みに到達させましょう」と呼びかけた。 「リング・ランキングの遺産をかつてのメカニズムに戻します」とも記されており、4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(31)=大橋=が2位、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(26)=M・T=が9位にランクインしていた全階級を通じたプロボクサー最強ランキングの「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」がどうなるのかも注目される。 「ボクシング業界の最高峰をたたえる豪華な授賞式を毎年開催する計画がすでに進行中」とも発表された。これまでは「ザ・リング」が主催の表彰式は開催されていなかった。 現在、「ザ・リング」の公式サイトは「COMING SOON」と表示されるのみで、閲覧できない状態になっており「数週間後には、最新のウェブサイトとモバイルアプリを発表する予定です。リング・マガジンのグッズもすでに開発中です」と報告した。 「ザ・リング」は米国で1922年に創刊されたボクシングの月刊専門誌。創刊当初はボクシングとプロレスの雑誌だったが、ボクシング専門誌に移行していった。創刊当初から独自の階級別ランキングも発表しており、独自に認定した王者にチャンピオンベルトを授与している。2007年9月には世界王座6階級を初めて制覇したオスカー・デラホーヤ氏(51)=米国=が代表を務めるゴールデンボーイ・エンタープライズの子会社に買収されていた。現在の編集長はダグラス・フィッシャー氏。