説明もないまま居酒屋のお通しが出され、料金を請求されました。食べなければ払わなくても問題ないですよね?
居酒屋で提供される「お通し」は、ちょっとした議論を呼ぶことがあります。席についてすぐに出されるこのささやかな料理は、サービスと思っていたら会計のときに代金を請求されることがあるのです。 そうなると、なんとなくだまされたような気分になる人も少なくないでしょう。この記事では、そんなお通しの代金に関する疑問を法律的な観点から解説します。
売買契約における「お通し」の問題点
居酒屋のお通しという慣習は、多様な形態をとりながらも、一定の料金が設定されていることが一般的です。この料金は地域や店舗によって変動し、一律で300円から500円程度とされることが多いものの、高級居酒屋では1000円を超えることもあります。 例えば、ある居酒屋では、席に着くと自動的に500円のお通し料金が発生します。客はこの料金を、席料やサービス料と同様に、店舗のサービスの一環として支払うでしょう。この場合、お通しの提供は売買契約の一部とみなされ、客がこれを受け入れた時点で、料金を支払う義務が生じるのです。 店舗によっては、メニュー上や入店時にお通しの提供と価格が明示されることもあります。その場合、客は料金を理解し、承諾したうえでサービスを受けることになるので問題になりません。 しかし、すべての店舗がこの情報を明示するわけではなく、知らずにお通しを受け取ってしまうケースが多いのです。このような状況では、客が後になって料金の存在を知った場合に、支払いを巡って紛争が生じることになります。 お通しの契約は、一般的な売買契約とは異なり、客が店に入店し、席に着くことで暗黙の了解が成立し、そのサービスを受けることが一般的です。この点が、スーパーマーケットでの商品購入やオンラインショッピングとは大きく異なるところです。居酒屋におけるこの独特の契約形態は、商慣習としての側面も持ち合わせており、そのために客と店舗の間で認識のずれが生じやすいのです。 このような状況を避けるためにも、居酒屋側には料金体系を明確にする責任があり、客も不明な点は積極的に問い合わせることが推奨されます。この双方向のコミュニケーションによって、お通し料金に関する誤解を未然に防げるのです。