富士山の眺望には難ありの十番山頂「九鬼山」、天狗岩からの富士の絶景が労をねぎらうボーナス登山に!
九鬼山は大月市に伝わる桃太郎伝説の鬼退治が、その山名の謂れとなっています。9匹の鬼が逃げ込んだと言われる標高970mの山は、残念ながら岩殿山登山道にある「鬼の岩」のような言い伝えが残るポイントはありません。山頂を踏むルートは豊富ですが、御前山との縦走セットで富士山の絶景眺望を楽しみたいところです 【写真】天狗岩からの富士山の雄大な姿などを見る(全11枚)
御前山とのセット縦走か、富士急行線側からの直登か?
九鬼山へのルートとしては、JR中央本線大月駅から御前山経由か菊花山経由による2ルートで、いずれも札金峠を利用するロングルートになります。または富士急行線・田野倉駅ないしは禾生駅からの池ノ山ルートを進むかになります。ここでは禾生駅から愛宕神社を回る直登ルートを使います。 富士急行線禾生駅を降り立ち国道139号を大月方面に戻ります。右手に桂川の支流・菅野川と落合水路橋が見えたら、集落内を通過して水路沿いを数m進むと赤い鳥居が現れます。愛宕神社の脇からの入山は、いきなりの急登が続きます。 田野倉駅からの直登ルートと合流してしばらくすると、天狗岩の表示が出てきます。「眺めよし」とキャッチフレーズまで印刷された案内表というのも珍しいですが、ここまでこれといった眺望ポイントどころか、休憩ポイントもないだけに、如何ほどかと訝しみながら本道から分岐してほどなく、「眺めよし」なポイントはあります。印字されるだけの旨みがありました。
山頂富士よりダイナミックな天狗岩からの富士山眺望
中央自動車道と都留市内方面を見下ろし、ほぼ正面に三ツ峠山を置き添えた秀麗富士山が現われ出でます。結果的に、この富士急行線側からの登頂ルート上の天狗岩からの富士山の眺望が、九鬼山登頂のビッグボーナスとなります。晴天に恵まれれば、九鬼山頂からの富士山に勝るものがあります。 天狗岩からは胸突き八丁の急登を一気がけです。九鬼山山頂はベンチも多く、急登直登の登山者にも、または札金峠からの縦走登山者にとっても絶好の山頂ランチタイムを提供してくれます。ただし秀麗富嶽十二景において、高畑山と並ぶ残念な富士山眺望です。木々に覆われた南側に富士山を認めることができますが、生い茂る木々に富士山の美しい山容は期待ほどには露出していません。山頂チラリズムの極地とも言えるコンパクトな画角になります。 下山はピストンで。山頂からの富士山の眺望にがダイナミックさに欠ける分、改めて天狗岩で堪能して下山したいですね。来たルートでピストンで戻り落合水路橋を眺めるもよし、もしくは田野倉駅にルートを変更してもいいかもしれません。
ソトラバ編集部