取材ノート 性差医療の発展に期待
■最近、ヘルスケア企業から「性差医療」という言葉を耳にする。健康の在り方や病気の予防、治療法を、男女の違いを踏まえて考えようという概念だ。ヘルスケア分野を担当しておきながら、半年前に初めて聞いた。 新薬の研究などで実験されるマウスは、ほとんどがオスであるという。人間を対象とした実験でも同様に男性が被験者となっている。理由は諸説あるが、女性は周期によってホルモンバランスが変化し、結果に影響してしまうという懸念からだそうだ。心筋梗塞など女性と男性では、症状が違う病気もあるが、同じ薬が処方されている現状がある。そこで登場した概念が性差医療だ。 米国では1990年代から取り組まれているものだが、国内では2013年に大学に日本初の女性外来が設置され、そこから研究が進んだようだ。本年度、女性の健康に特化した国立の研究センターが開設する。ヘルスケア企業の担当者は「同センターの開設で、性差医療の発展が期待できる。当社も女性の健康に注目し、商材開発に力を入れている」(担当者)と明かした。性差医療の発展を願う。
■中村 光希(なかむら・みつき)名古屋市内の中小企業、ヘルスケア企業などを担当。1年ほど前から、趣味で韓国語を勉強している。先日、韓国人旅行客の方に道案内をした際に、初めて役に立った。