五輪オーバーエイジは必要か?(1) 2008年北京・反町康治は「U-23世代ではどうしても足りないところがあった」
【ひとつになりやすい選手を連れていく方法も】 オーバーエイジはチームの強みを際立たせたり、弱みを補ってくれる。ただ、あくまでも「18分の3」である。15人の五輪世代のクオリティが、言うまでもなく重要なのだ。五輪でメダルを狙うのであれば、U-17やU-20のワールドカップから真剣に優勝を目指すべきである。そのための強化をするべきなのだ。 パリ五輪に挑むU-23日本代表は、7月3日に発表される。チームは7月17日(日本時間18日4:05)にフランスとテストマッチを行ない、7月24日(同25日2:00)のパラグアイ戦に挑む。ここからは時間との戦いだ。オーバーエイジを加えたら、さらに急ピッチでチーム作りを進めなければならない。 「現場の立場で言えば、できる限り早い段階から一緒に活動できればいい。ただ、U-23でもフル代表でも、限られた時間でやらなければいけない。代表とはそういうもので、監督とかスタッフが相当に気を遣ってひとつのチームにまとめ上げる作業をしなければならない。 オーバーエイジについても、ひとつになりやすい選手を連れていく、という方法もある。そこは、監督がどう考えるか」 果たして、大岩監督の決断は──。 (「2016年・リオ五輪~手倉森誠の場合」につづく) ◆手倉森誠~2016年・リオ五輪「ハリル監督から『いいチョイス』と言われたが...」 【profile】反町康治(そりまち・やすはる)1964年3月8日生まれ、埼玉県さいたま市出身。清水東高→慶應大を経て全日空に入社。横浜フリューゲルス誕生後も社員選手として続けるも、1994年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)へ移籍した際にプロ契約を結ぶ。1997年に現役引退。2001年~2005年はアルビレックス新潟監督、2006年~2008年は北京五輪世代のアンダー日本代表監督、2009年~2011年は湘南ベルマーレ監督、2012年~2019年は松本山雅FC監督。2020年3月、日本サッカー協会・技術委員長に就任。2024年4月より清水エスパルスのゼネラルマネージャー兼サッカー事業本部長を務めている。日本代表4試合0得点。ポジション=MF。身長173cm。
戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei