MTBが走れるフィールドを学生が主体で整備 松本情報工科専門学校の実習授業
MTBが走れるフィールドを学生が主体で整備 松本情報工科専門学校の実習授業
松本情報工科専門学校スポーツバイシクル学科では、フィールド整備実習を通して、学生が主体的にMTBコースの造成やメンテナンスを行い、自転車を楽しむ環境づくりを学んでいる。実習場所は、学校近郊および提携先など複数のフィールドで行われ、実践的なスキル習得を促している。
スキルアップに最適なオリジナルコース
松本市岡田地区には、スポーツバイシクル学科のオリジナルMTBコース「キッズスキルアップトレイル」がある。土地所有者の協力を得て整備されたこのコースは、学生にとって絶好の練習場所だ。1年生にとっては、スコップなどのディグ工具の使い方やコースメンテナンスの基本を学ぶ貴重な機会となる。4kmと学校から近く、放課後やメンテナンス後に気軽に試走できる点も魅力。さらに、一般公開もされているため、地域貢献にも繋がっている。
地域連携でパンプトラックを整備
北安曇郡池田町の河川敷にあるパンプトラックの整備も実習の一環だ。近隣のMTBクラブが造成したこのコースは、走行や雨の影響で路面が荒れやすく、定期的なメンテナンスが必要となる。 学生たちは、土を盛ったり叩いたりして路面の修正を行い、気持ちよく走れるコース作りに励む。作業後には必ず試走を行い、修正箇所の確認や改善点を検討することで、実践的なスキルを磨いている。このパンプトラックも一般公開されており、学生以外にも多くの人が利用している。
山中コースで実践的なメンテナンス
学校から少し離れた山中には、地元有志が作ったMTBコースがあり、フィールド整備実習で使用させてもらっている。森の中という自然環境のため、雨による浸食は少ないものの、コースの老朽化や土留めの破損など、定期的なメンテナンスは欠かせない。学生たちは、これらの課題に対処しながら、コースの安全確保と走行性の向上に努めている。メンテナンス後は必ず試走を行い、不備がないか、気持ちよく走れるかを確認する。この過程を通じて、実践的な整備技術とコース設計のノウハウを習得していく。
フィールド整備で学ぶこと:環境づくりと走行スキルの重要性
自転車業界の課題として、MTB人口の少なさがある。その要因の一つに、気軽に楽しめる環境の不足が挙げられる。業界全体で「自転車を楽しむための環境づくり」に取り組む必要がある中で、この実習は学生たちにその重要性を認識させる貴重な機会となっている。 フィールド整備実習で最も重要なのは、整備する人が高い走行スキルを持っていることだ。なぜなら、MTBの楽しさを理解していなければ、魅力的で安全なコースを設計・整備することは不可能だからだ。ただ漫然と作業するのではなく、「どうすれば楽しく走れるか」「どんなコースなら安全か」といった視点を持つことが重要となる。学生たちには、普段から積極的に自転車に乗り、「こういうコースが楽しい」「これなら楽しめる」という感覚を養うことを勧めている。この実習を通じて、学生たちは単なる整備技術だけでなく、利用者の視点に立ったコース設計、そして環境づくり全体を担う人材へと成長していく。 松本情報工科専門学校公式HP。
Bicycle Club編集部