動脈硬化予防には、ふくらはぎのストレッチ セット間に10~20秒のインターバルをとるのがポイント
――これらの種目を行なう際、注意することはありますか。 「次の5つのポイントを意識するといいでしょう」 ①呼吸を止めない 姿勢を維持しようと思うと息を止めがちになりますが、必ず呼吸をしてください。呼吸をしないと体が力んで血圧が上がり、効果が薄くなってしまいます。 ②ストレッチする部位(血管)を意識する 今どこをストレッチしているのかを認識した上で、正しい姿勢で行ないましょう。 ③姿勢は 30 秒間維持 これは私たちの動脈硬化に対する研究のエビデンスに基づくものです。とはいえ30秒間ストレッチを行なうことは簡単ではありません。初心者や中高年の方は15秒~ 20秒から始めましょう。 ④セット間は 10 秒~ 20 秒の休息をつくる 血流が増加するのはストレッチ後になるため、そのゴールデンタイムを確保するためにセットの間は必ず休息時間を設けてください。 ⑤痛みが出たら無理をしない 筋や腱の痛みが出てきた場合は無理せずストレッチを中断してください。 (次は最終回。中高年へのアドバイスをお届けします) ◆本記事は日本ストレッチング協会 協会誌「CREATIVE STRETCHING Vol.65」で紹介された内容を再編集したものです。
家光素行(いえみつ・もとゆき) 立命館大学スポーツ健康科学部スポーツ健康科学科教授。2003 年、筑波大学大学院医学研究科修了(博士:医学)。2004年、筑波大学大学院 人間総合科学研究科助手国立健康・栄養研究所客員研究員などを経て、2014年より現職。日本体力医学会監事、日本運動生理学会評議員などを務め、心血管疾患、糖尿病、肥満などにおける運動療法と運動効果の機序解明について多くの論文を報告している。
取材・構成/森本雄大