[MOM4990]帝京大可児MF青木嘉宏(2年)_先輩スーパーエースを“友好的”ライバル視「絶対に加藤隆成より多く点を取りたい」有言実行2発!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ Sponsored by アディダス ジャパン] [12.31 選手権2回戦 帝京大可児高 5-1 大分鶴崎高 味フィ西] 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 最大のライバルはチームが誇る絶対的エース。「加藤隆成くんを超えたい」をテーマに掲げる帝京大可児高の2年生アタッカーが、注目の大会初戦で有言実行の活躍を見せた。 帝京大可児は1回戦シードのため、2回戦・大分鶴崎高戦が大会初戦。前半22分にエースのFW加藤隆成(3年=帝京大可児中)が単独突破から幸先よく今大会初ゴールを決め、1-0でリードしていた中、トップ下のMF青木嘉宏(2年=愛知FC庄内U-15)は大きなモチベーションを燃やしていた。 「選手権予選でも『加藤、加藤』と言われていて、僕も言われたいんで。『青木がすげえ』って。点を取ることが一番それを示せると思っているので、今大会は絶対に加藤隆成よりも多く点を決めて、自分のほうがすごいっていうのを見せつけたいです」(青木) その熱い思いを後半のピッチにぶつけた。まずは20分、加藤のシュートが相手にブロックされた直後、加藤がすぐさまプレスバックに走ったため、青木が最前線に攻め残る形に。すると途中出場のMF中村一輝(3年=帝京大可児中)から浮き球パスが送られ、ここぞとばかりにペナルティエリア内に抜け出した。 「一輝くんがアイコンタクトを取って、来ると思って走り出したら、ちょうどいいボールが来た」(青木)。前半から再三のスーパーセーブを見せていた大分鶴崎GK大倉公亮が飛び出してきたが、青木は先にボールにアプローチ。最後は頭でかわしてペナルティエリア右に運び、角度のないところから無人のゴールに流し込んだ。 チームに大きく流れを引き寄せる追加点。青木は「自分自身も試合の流れが変わったと思っているので嬉しい」と笑顔を見せた。 もっとも、青木のテーマは“加藤超え”。先輩のライバルが序盤にファーストゴールを決めている以上、ここで立ち止まるわけにはいかなかった。すると3-0とした直後の後半26分、その瞬間が訪れた。MF明石望来(3年=FCフェルボール愛知)からのパスをゴール正面で受け、重心移動で相手をいなすと、思い切って右足一閃。見事な“股抜き”シュートで2点目を沈めた。 「練習でも監督からゴール前は落ち着けば大丈夫と言われている。落ち着いて股が見えていたので良かった」(青木) このゴールで相手の戦意を削いだチームは終了間際にも得点を重ね、5-1で勝利。青木は試合後のピッチ上インタビューで「加藤くんを超えたいと思ってやっているので、隆成くんより上で嬉しい」とライバル意識をむき出しにすると、加藤が「10得点での得点王」を目標に掲げたのを受けて「僕は12ゴール決めます」と言ってのけた。 そんな青木だが、ピッチ外では加藤と良好な関係を保っているという。もともとは「憧れの存在」。いまも「めちゃくちゃ優しくしてくれるし、喋りかけてくれる。喋りかけてくれる人が好きで、友好が深まっているし、コミュニケーションが取りやすいので、サッカーの部分でもやりやすい」と信頼と感謝を口にする。 ピッチ上でのライバル意識は自身の成長に向けてさらなるプレッシャーをかけるためだ。 「憧れの存在だけど、自分もいずれ絶対に越えたい。だから今大会でも絶対に加藤隆成よりも点を取りたいと思っているし、今大会ではライバルと思っています」(青木)。一方の加藤は「こうやって高め合えていければ」とにこやかに話し、仲井正剛監督も「加藤はあまり意識していないですけど、青木はバリバリ意識してますね(笑)」と目を細めるが、2年生アタッカーがこの姿勢を持つのはチームにとって頼もしいことこの上ない。 もっとも、日本一を狙うチームはまだ1試合を終えたばかり。青木は「得点能力ではずば抜けて隆成くんのほうがあると思うけど、パスとかオフザボール、ゴール前での落ち着き、周りを見て判断する能力は自分のほうが長けていると思う。そこをもっと伸ばして今後も活躍したい」と得点以外の個性にも目を向けつつ、今後も切磋琢磨していく構えだ。 また2年時の選手権は今後のキャリアに向けても重要な大会。「得点も取れるし、アシストもできて、ボール保持もできて、帝京大可児のサッカーに合ったプレーヤーになりたいのが一番。将来的には絶対にプロサッカー選手になりたいし、そのために自分の長所を目指して頑張っていきたい」。大会を通じて結果を残し続け、大きな夢へのステップを駆け上がっていく。