INI、初めての観客も虜にするフェスでの凄み アウェイを乗り越えた経験がファン獲得の武器に?
INIが8月17日から18日にかけて開催される『SUMMER SONIC 2024』に出演する。今月3日には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』、5月19日には『TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2024』にも出演するなど音楽フェスでの著しい活躍を見せている彼ら。本稿では、INIファンではない観客もいるであろうフェスで、多くの人々を惹きつけるそのパフォーマンスの魅力を紐解きたい。 【画像】韓国の歌番組でも活躍するINI 彼らのフェス出演について語るには避けて通れないのが「HERO」という楽曲の存在だ。この楽曲は、WANIMAのKENTA(Vo/Ba)が作詞作曲を手掛けたもので、その縁もありWANIMAが主催する音楽フェス『1CHANCE FESTIVAL 2022』に出演したことがINIのフェスでの活躍の大きな足がかりになったように感じる。このフェスで「HERO」を披露している映像が、INIの公式YouTubeチャンネルに投稿されており、彼らのアツいパフォーマンスと観客の熱狂が見て取れる。普段はダンスとともに表現することの多い彼らだが、この曲ではその体力が歌うことだけに注がれており、パワフルな歌声を堪能することができる。尾崎匠海、髙塚大夢、藤牧京介のボーカルを軸に11人の個性ある歌声が響き渡るのだ。 複数の歌声が代わる代わる聴こえてくるこの楽曲では、ハモリだけでなく、西洸人を中心に1オクターブ下を歌えるメンバーがいることも全体的な厚みに貢献しており、聴きごたえのあるパフォーマンスの隠し味になっているように感じられる。この動画では最後に「以上、INIでした! ありがとうございました!」と揃って頭を下げる様子も映っており、ロックフェスというアウェイの場でパフォーマンスすることの謙虚さや誠実さも観る者の心を惹きつける。
歌、ダンス、カメラアピール……INIが得意とする“全方位的なパフォーマンス”
もちろんフェスでは、ダンスパフォーマンスのある曲も披露される。11人という大所帯で繰り広げるダイナミックかつ緻密なダンスパフォーマンスは、音楽フェスという場で大きなインパクトを与えるだろう。さらに、これまでの数えきれないほどのテレビ出演により、カメラアピールも大得意分野とする彼ら。フェスの会場は平面であることが多いため、遠くから見ている人でも、ステージに設置された巨大モニターを通じて盛り上がれるというのが醍醐味であることから、INIの培ってきたものがより強く発揮される場となり得るだろう。 フェスだけでなく、デビューしてから二度の全国ライブツアーも行うなど様々なイベント出演で経験を積み、その場での高揚を声に宿したようなアレンジも多く見せるようになってきた彼ら。8月5日にはグループの公式TikTokに『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024』に出演した際のダイジェスト映像が投稿されており、その動画の最後には「Walkie Talkie」という楽曲で尾崎が声に力を込めた様子が映っている。こういった分かりやすく盛り上がるポイントで、メンバーもテンションが上がっていることが伝わるアレンジは、会場の熱をさらに上げていくトリガーとなるに違いない。 近年、ロックフェスにアイドルグループが出演することは珍しくないが、その中でもINIは豊富な楽曲と確かなパフォーマンススキルで多くの音楽ファンを惹きつけている。『SUMMER SONIC 2024』でも、MINI(ファンの総称)のことはもちろん、彼らを初めて観る人のことも大いに楽しませてくれるだろう。これからも彼らの幅広い活躍に期待したい。
池田夏葉