若者が街に増え新店も続々! 新旧の住人つなぎ、街が劇的に変わったQURUWA(くるわ)エリアがアツすぎる 愛知県岡崎市
皆で汗をかく「夏祭り」で、公園のこけら落とし
2019年には、籠田公園がリニューアルした。 「その前年に、籠田公園の活用を議論するワークショップの中で『籠田公園の改修が完了したら、盆踊りをやらないか』という話が持ち上がったんです。新しい籠田公園のこけら落としとして、地域のみんなで盆踊りを踊って関係性を深める、かつての夏祭りを復活させようと。それからあちこちに声をかけて協力者を募り、2019年の夏、櫓(やぐら)の周囲に屋台が並ぶ『籠田公園夏祭り』を30年ぶりに復活させました」
夏祭りは大盛況。「若い世代には『櫓を初めて見た』という人もいて、新鮮だと言われました。一方、古くから住む人たちからは、祭りのにぎわいを懐かしむ声が聞かれましたね」と筒井さんは目を細める。1、2年目はおよそ500人が来場。年々、日程や出店数などの規模を拡大し、昨年は2千人以上が集まったという。 県外から岡崎市に移住し、2020年から籠田公園の側で宿「Okazaki Micro Hotel ANGLE」を営む飯田圭さんには、QURUWA戦略を民間側で進めるディレクターの1人としての顔も。移住者の目線を活かして岡崎市の魅力をSNSなどで発信しているが、夏祭りには「参加している側」として、こう話す。 飯田さんが営む「Okazaki Micro Hotel ANGLE」は、市内で最も古いカメラ店をリノベーションした6部屋の宿。籠田公園のすぐ側にあり、さまざまなイベントに参画。宿泊客も籠田公園を散策して楽しんでいるという。
「日々商売をしていると、なかなかオーナー同士が集まる機会がないので、夏祭りで相手の顔が見えて、仲が深まるのが嬉しいですね。気張らず、ふらりと気軽に出かけられて。いざという時に同じ地域で商売をする人たちと顔見知りだということは、大きな意味があると思います」 夏祭りを毎年楽しみにしているという中川さんも、「みんな一緒に汗をかくというのが、絆を深めますよね」と続ける。 今年の夏祭りは、籠田公園や桜城橋をはじめとするQURUWA地区の3エリアで、3週末にわたり同時開催し、同じ盆踊りを各地区の雰囲気で楽しむという趣向だ。 「新住民が多いエリアや飲食店が集まるエリアなど、コミュニティによってカラーがあるので、違いを楽しんでもらったり、街をあちこち回ってもらったりできれば。祭りは地域ごとのコミュニケーションの場であり、次の世代に継承するべきものですから」と先出の筒井さん。
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