逆転の楽天、交流王へ首位死守 小郷裕哉が逆転サヨナラ打!〝決める男〟土壇場九回2死また大仕事
楽天は11日、巨人1回戦(楽天モバイルパーク)に7-6で逆転サヨナラ勝ちを飾り、交流戦の首位をキープ。九回に押し出し四球で1点差とし、2死満塁から小郷裕哉外野手(27)の2点二塁打で試合を決めた。今季の逆転勝ちはソフトバンクの17度に次いで12球団で2番目の15度。真骨頂を発揮した〝逆転イーグルス〟が初の交流戦王者に突き進む。 【写真】九回2死満塁から2点二塁打を放った小郷裕哉。楽天はサヨナラ勝ちで交流戦首位を走る 勝利を告げる打球が右中間に伸びた。小郷がプロ初のサヨナラ打となる2点二塁打。今季4度目のサヨナラ勝ちに楽天モバイルパーク宮城のスタンドはお祭り騒ぎ。ヒーローは水をかけられ、手荒い祝福を受けた。 「最後は腹をくくって打った。外野手が前進守備だったので越えてくれと思いながら走った。サヨナラヒットは初めてなので最高です」 4―6の九回に1点差に追い上げ、なお2死満塁で打席に入ると、追い込まれながらも左腕バルドナードの150キロの速球を力強く捉えて右中間を破った。終盤まで続いた劣勢を覆しての劇的勝利で、交流戦単独首位を死守した。 小郷は打席に入る前、鈴木大から球筋などの情報を入念に伝えられ「お前ならいける!」と背中を押された。あと一人で敗戦の場面でも「割り切って勝負できた」と、プレッシャーを打破した。 5日の阪神戦で九回2死から逆転2ランを放ってチームを勝利に導き、8日の中日戦ではプロ6年目で初の満塁本塁打をマーク。「活躍して名前を覚えてほしいと思ってプレーしている」。交流戦では12球団トップの13打点。打率・315、2本塁打、11得点をマークしており、交流戦のMVPを視界に捉えた。 殊勲の27歳は楽天10万ポイントをゲット。報道陣から使い方を問われ「つみたてNISAに投資します」と即答し、親会社が運営する楽天証券のPRに一役買った。 昨年12月、山形県上山市の上山温泉を訪れ、家族水入らずの時間を過ごした。偶然、自治体のPR映像の取材を受け「体ががっしりしていますね。何かスポーツでも?」と全く気が付かれなかったほど。だが今季はチームをけん引する活躍をみせている。 交流戦で10勝に達し、最大9つあった借金は1に減らした。今江監督は小郷について「この交流戦で一皮、二皮もむけた。勝負強くて驚いている」と絶賛。大ブレーク中の小郷が、楽天打線の中心にいる。(広岡浩二)