東京都庭園美術館が「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」を開催。幻の名画《アマリリス》も公開
「大正ロマン」を象徴する画家であり、詩人でもあった竹久夢二(たけひさ・ゆめじ)。その回顧展「「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」が、東京・白金台の東京都庭園美術館で開催される。会期は6月1日~ 8月25日。 竹久夢二(本名=茂次郎)は1884年岡山県生まれ。神戸中学校に入学するも家事都合を理由に中退し、一家で福岡県八幡村に転居。18歳で家出して上京し、その後早稲田実業学校で学んだ。雑誌『中学世界』に「夢二」という雅号を初めて用いて投稿したコマ絵が入選し、本格的に画家の道へ進む決意。職業画家となって新聞や雑誌のコマ絵やスケッチを手がけるようになり、1909年に最初の画集『夢二画集 春の巻』を刊行した。妻・たまきをモデルに「夢二式」と呼ばれた美人画を発表し、一世を風靡し、その作品はいまなお根強い人気がある。1931年から産業美術の視察を目的としてアメリカをはじめヨーロッパ各国をまわり、33年に帰国。翌年、肺結核のため、療養先である長野県の信州富士見高原療養所で亡くなった。 本展は、夢二の生誕140年を記念して、最新の研究に基づく新たな視点からその生涯をたどるもの。初公開資料を含む約180点の作品が、夢二郷土美術館コレクションを中心に紹介される。 なかでも大きな見どころは、長らく所在不明であった油彩画《アマリリス》だ。同作は近年の調査により発見。夢二の油彩画は現存するだけでも約30点と少なく、本作はその来歴も含めて貴重な作例だ。発見後、東京で公開・展示する初めての機会となる。 この《アマリリス》に加えて、貴重な油彩画を多数展示し、これまであまり紹介されてこなかった油彩画家としての夢二の一面に迫るものになるという。また、夢二が欧米滞在中の出来事を残したスケッチから、初公開となるものも並ぶ。