「日本のユーザーにはとても感謝している」 M5Stack TechnologyのジミーCEOが語る今と今後、そして「MSX0」との向き合い方
2024年10月中旬に新社屋に移転し床面積は2倍以上に
―― M5Stackが新社屋に引っ越しされるそうですね。 ジミー 今の会社は深セン郊外にある宝安区の工業地帯にありますが、地下鉄の駅から近いところで、そのオフィスビルのワンフロアを事務所兼工場として使っていました。社員が大体80人くらいです。半分ぐらいが工場で、半分ぐらいが事務所になっていて場所的には申し分ありませんが、エンジニアリング的にも工場的にも場所が手狭になっていました。そこで引っ越しをして、工場とエンジニアリングスペースを拡張したいと考え、しばらく前からいろいろと探していました。 できればEspressif Systemsに買収される前に引っ越したかったのですが、3階建ての空港に近いスケルトンのビルを新しい引っ越し場所に決めました。当局の承認をもらって、必要な工事を開始してから終わるまでに時間かかってしまいましたが、10月中旬以降に引っ越しすることになりました(筆者注:10月14日に引っ越しが完了し、新社屋での業務を開始したとのこと)。 地下1階/地上3階の構造で、地下が倉庫と生産ライン、 1階がエントランスとデモルーム、食堂で、2階がマーケティング、3階がエンジニアリングというフロア構成になる予定です。 ―― 総床面積は今のオフィスの何倍になりますか? ジミー 4フロア分を合わせて、これまでの2倍以上にはなります。 ―― 社員もさらに増えるのでしょうか? ジミー 人は徐々に増えています。製造現場もエンジニアも増えているので、今は80人~100人ぐらいですが、開発状況や生産状況によってはもう少し増やす可能性もあります。新しいオフィスなら200人くらいまでは大丈夫ですが、それ以上に人を増やすとしたら、もっと別の場所に引っ越さないといけないかもしれません。 それぐらいの規模になったら生産ラインはもっと拡張が必要になるため、生産と倉庫は近くの別の場所に引っ越しする可能性があります。でも、本部はその場所に残すつもりです。 以前、企画開発現場と生産現場を分けて異なる市に置いたことがありますが、効率が良くない部分がありました。企画開発したものの、プロトタイプを試作した後、それをフィードバックする必要がありますし、量産後も当然問題がないわけではないので、そういうのを迅速に対応するために、企画開発と生産は1つの場所、もしくは近くの場所じゃなきゃいけないということを学びました。ですから、原則として企画開発と生産は一緒の場所にするという方針です。 ―― M5Stackは順調に成長していると思いますが、ジミーさんが最初に考えたロードマップ通りでしょうか。今の状況をどう思っていますか。 ジミー 元々、長期的なビジョンがあったわけではなく、お客さまが使いやすいIoT製品を迅速に出していくという方針でしたので、長期的な何年後にこうしようっていうビジョンはありません。 ただ、個人的には今の状況にはとても満足しています。エンジニアとしてはもうあふれ出るぐらい湧き出てくるアイデアが100%まで行っていないというか、まだまだアイデアが出てきてそれを製品化し続けているので、そういう部分では満足してないですし、満足したら辞めちゃって、釣りでもしていると思います(笑)。