【金利上昇で大注目】「変動10年国債」を徹底解説、定期預金より“お得で安全”と言えるワケ
■ 変動10年国債は「10年以内に使う予定のお金」を備えるために有用 将来の資産形成として、最近人気が高いのは「新NISA」です。新NISAは、投資の利益にかかる約20%の税金を一生涯非課税にできる制度です。 「神改正」と言われるほど、大幅にアップグレードされた制度ですが、万能ではありません。新NISAでは株や投資信託などに投資をすることになりますが、値動きがある以上、元本割れリスクをゼロにすることはできません。 よって、日々の生活のためや10年以内に訪れるようなライフイベントのために、NISAを活用するよりは、元本割れしにくく、少しでもお金を増やせる金融商品が適しています。 数年以内に訪れるようなライフイベントには、住居購入の頭金、車の購入費用・買い替え費用、子供の中学受験費用、子供の留学費用、家族の旅行費用などがあります。 こうしたライフイベントに備えるために、変動10年国債を活用することで、お金を安全に、堅実に貯めていくことができるでしょう。 変動10年国債は退職金の運用先としても有用です。 退職金を投資の元本に充てるケースが多いでしょうが、全額を値動きのある資産に投資するのはおすすめできません。全額投資してしまうと冷静さを欠いてしまいやすいからです。 心の安定は、「お金の安定」という背景によって成立する一面があります。 退職金をもらう前の預貯金額など安全資産の多寡によっても変わるのですが、退職金の半分程度は預貯金や変動10年国債に置いておくとよいでしょう。 5年後に訪れるライフイベントのために、個人向け国債を活用する場合でも「固定5年国債」ではなく「変動10年国債」を選んだ方がベターです。 2024年5月募集分の金利は、固定5年国債が年0.45%、変動10年国債は年0.57%です。 変動10年国債の満期は10年後ですが、5年後に解約することは可能です。その場合、直前2回分の利息は返還するルールです。半年に1回利息がもらえますので、単純に1年分の利息を返還することになります。 仮に100万円を購入して5年間保有した場合で試算してみます。実際の手取りは税引き後の利率なので、そちらで計算します。 税引後の利率は、固定5年国債は年0.45%→年0.3585825%、変動10年国債は年0.57%→年0.4542045%です。 変動10年国債の金利が変わらなければ、変動10年国債を購入した方がお得ということがわかります。 もちろん、金利が下がった場合は、固定5年国債の方が有利になりますが、金利上昇時代では変動10年国債を購入しておいた方がベターではないでしょうか。