【金利上昇で大注目】「変動10年国債」を徹底解説、定期預金より“お得で安全”と言えるワケ
■ 「変動10年国債」が有利な理由 個人向け国債のおすすめは「変動10年国債」です。なぜならば、今後も金利が上昇していった場合に、すでに保有している「変動10年国債」の利率も上昇し、利息が増えるからです。固定3年国債と固定5年国債は金利が上昇しても、購入時点の金利から変わることはありません。 変動10年国債が参考にしている基準金利とは、「10年固定利付国債の利回り」です。この基準金利に0.66を乗じた利率が利払日ごとに設定され、変動10年国債の適用利率になるルールです。計算した結果、0.05%を下回る場合でも、年0.05%の最低金利が保証されます。 直近10年間の10年固定利付国債の利回りと、その基準金利に0.66を乗じた適用利率をグラフに表すと、次のようになります。 【直近10年の「10年固定利付国債の利回り」の推移】 青が「10年固定利付国債の利回り(=基準金利)」、オレンジが「基準金利×0.66」の数値です。オレンジのグラフは、途中0.05%の最低金利が長いこと適用されていますが、2022年8月あたりから上昇していることがわかります。実際、変動10年国債の半年ごとの金利も、上昇しています。 【変動10年国債(第134回)の適用利率】
■ 「変動10年国債」のメリットとデメリット 変動10年国債のメリットとデメリットは、次のとおりです。 変動10年国債は預貯金より金利が高く、日本一低リスクの資産です。元本割れもしません。国が潰れるとしたら、その前に銀行が潰れるはずです。 マイナス金利が解除され、金利が上昇していく時代の中で、もらえる利息も増えていきますから、金利上昇リスクにも備えることができます。金利の最低保証があることもうれしいメリットです。 そもそもインフレとなり物価が上がると、インフレを抑制するために金利が上昇していきます。インフレ対策としても有用な資産と言えます。手数料が一切かからない面もメリットとして大きいでしょう。 変動10年国債に限らず、個人向け国債は購入から1年間は中途換金ができません。ただし、口座名義人が亡くなった場合や、大規模な自然災害の被害を受けた場合などには中途換金が可能です。 1年経って中途換金すると、直前にもらった2回分の利息は返還しないといけませんが、元本割れは絶対にしません。 毎月発行されるので毎月購入できるのですが、自動積立の仕組みがないので、毎回自身で購入手続きする必要があるという点はデメリットと言えそうです。