25年3月末オープン「鳥取県立美術館」アートの拠点へ高まる期待「ポップカルチャーの街」に相乗効果も【鳥取発】
開館を待ちわびる市民 「アートの街」としての盛り上がりを
オープンを4カ月後に控えたこの日、美術館の「ひろま」でワークショップが開かれた。開館日に、記念パレードで披露する「POP音頭」を作っていた。集まった人たちは、自由な発想で振り付けのアイデアを出し、オリジナルの振り付けを披露した。 参加者は「地域の人たちが盛り上げていけるというのは、とてもうれしい」、「今まで美術館というカテゴリの施設が無かったので楽しみにしている」と話し、開館の日を心待ちにしている。 待望のオープンに向けて、美術館の地元の倉吉市でもアートへの関心が高まってきている。倉吉市の「アート格納庫M」。創業70年を超える市内の商社が2024年4月に開設したギャラリーだ。空き倉庫を改修した展示場では、巨大な鉄のアートが目を引く。日本を代表するアーティスト「原口典之」さんの作品を中心に展示されている。アート格納庫Mの岡野稔さんは、「アートはもともと好きでなかなか踏み切れなかったが、県立美術館が出来て、お客さまの流れがどんどん増えてくると、ここも生きてくる」と話し、相乗効果を狙う。 その岡野さんが取り組んでいるのが、「まちなかアート事業」だ。県中部の飲食店や宿泊施設などに絵画など地元作家の作品を展示し、購入にもつなげる狙いだ。岡野さんは「街の中でアートがどんどん盛んな街というのは、街としても県としても面白くなる」と語り、県立美術館オープンをきっかけに市のさらなる変化に期待している。 実は倉吉市では、2014年に国内有数のフィギュア工場が進出したのをきっかけに、「ポップカルチャーのまち」としての認知度も上げていた。フィギュアを集めたミュージアム・円形劇場や代表的な観光地・白壁土蔵群でアニメの聖地としてPRするなど、さまざまな形で「アートのまち」として盛り上がりを見せている。
「県立美術館」拠点に“回遊”と“滞在”へ 日本一小さな県の取り組みに注目
鳥取県立美術館・尾﨑信一郎館長: 新しい美術館の一つのキーワードは、「回遊することと、滞在すること」。起爆剤になりうると思う。最後発だからできるというか、小さな県だからできる。そうした自信を持って美術館の運営を進めたい。 2025年3月30日にオープンする鳥取県立美術館、鳥取県の新たなアートの拠点として期待がかかる。
TSKさんいん中央テレビ