初の予算委で野田代表と“新旧総理対決” マイナ保険証の答弁に“一時騒然”
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石破政権で初めてとなる予算委員会。マイナ保険証を巡る総理の答弁に国会がざわつく場面も。 ■野田代表と“新旧総理対決”実現 自民党 小野寺政調会長 「なぜ石破総理が人気なのか」 石破総理大臣と親しい自民党の小野寺政調会長。突然、国会で石破総理の人気の理由を分析。 小野寺政調会長 「人の話をよく聞く、そしてじっくり相手と向き合う。さらにちょっとオタクのところもある。何かこう…近くにいるおじさんとよく似てる、これが国民の皆さんから親しまれる石破さんの姿だと思います。ですが総理、残念ながらその良さが出てないと思います」 「原点の石破茂に戻ってほしい」。異例の直訴でした。 5日から始まった与野党論戦の主戦場である予算委員会。立憲民主党の野田代表は思い出話から質疑を始めました。 立憲民主党 野田佳彦代表 「きょう、こういう形で総理と対峙(たいじ)して大変、感慨深いものがあります。12年前は私がそちらに座っていました。そして12年前は石破筆頭理事がおられました。小池百合子次席理事がいらっしゃいました。という錚々(そうそう)たるメンバーに連日、鍛えていただきました。きょうはご恩返しの一本を始めたいと思います」 ■初の予算委「政治とカネ」で激突 野田代表が切り込んだのは政治改革の本丸と位置付けるこの問題でした。 立憲民主党 野田佳彦代表 「裏金の問題も含む政治とカネのような不祥事を起こさないために、我々は改革の本丸は企業・団体献金の禁止だと思っています。リクルート事件など政官業の癒着を象徴する、その仲立ちを事実上、企業・団体献金がしているという事案がいっぱい発生をしたから、だから企業・団体献金の見直しをしようとすることが度々起こったんじゃありませんか」 石破総理大臣 「企業・団体献金というものが政党助成金が入ることによって、それはもうなくすことになったのが合意だよね、という言説があちらこちらでなされることでございますが、そうではないのだと」 1994年に行われた「平成の政治改革」では政治家個人への企業・団体献金は禁止され、代わりに税金を原資とする政党交付金が各党に交付されることになりました。 この時、政党への企業・団体献金も見直すことで与野党は合意しています。 立憲民主党 野田佳彦代表 「残念ながら政党に対しての企業・団体献金の見直しはずーっとずーっと付則には入ったまま、見直しされないままに今日に来ていると。当時は色々あったけど与野党で合意したわけじゃないですか、30年前の宿題を片付けようじゃありませんか」 石破総理大臣 「1994年の政党助成法成立時に政党助成金を導入する代わりに企業・団体献金は廃止の方向になったことはそういう事実は実際にございません。そこのところの認識を統一していかないと、これからの議論が食い違うと思っております」 立憲民主党 野田佳彦代表 「報道によりますと、企業・団体献金については第三者機関の判断に委ねるために来年以降に結論を出そうという動きになっている。なんで来年まで延ばすんですか。年内に企業・団体献金の問題も含めて決着をつけようじゃありませんか」 石破総理大臣 「いつまでも引き延ばしていいなぞとは全く思っておりません。そして、またその内容を第三者機関に委ねるということを申し上げたことも一度も私どもはございません」 企業・団体献金の禁止を求める立憲民主党に対し、石破総理は判断を有権者に委ねるために透明性や公開性を高める必要があると主張し、譲りません。 立憲民主党 大西健介議員 「経団連は会員企業に献金額を割り当てあっせんする形で長らく自民党の政治活動を支えてきました。経団連は各政党の政策を評価して各社に献金を促す形を取っていますけども、経団連の政策要望に応えたか否かを献金の判断材料にすること自体が、それこそ政策を金で買っていると、そしりを免れないのではないかと思いますけども、総理どう思われますか」 石破総理大臣 「そういうそしりを受けないように私どもは、だから透明性、公開性を上げていかなければならないと、ずっと申し上げているところでございます。今度の政治改革の議論は企業・団体献金をどうするかというお話もございますが、そこをデータベース化することによって、誰でも一目瞭然、容易に分かるようにすることによって、そしりを受けることがないような仕組みをきちんと作っていくことが大事なのだと思っております」 先週、総務省が公開した2023年の主な政党の政治資金収支報告書を見ると、自民党の収入総額226億円のうち企業・団体献金の額は23億円。他の党と比較すると、その額は突出しています。 立憲民主党 大西健介議員 「自民党以外の政党は、自民党に比べればはるかに少ない額しか企業・団体献金を受け取っておりません。つまり自民党さえ企業・団体献金をやめようと言えば、この問題は解決するんです。総理決断しないですか」 石破総理大臣 「私どもは『自民党に献金しなければどうなるか分かってるだろうな』みたいな、そのような手法を取ったことはございません。企業が営利企業であります以上、利益を見返りと全くせず献金をするということは、それ自体がおかしなことでございますのでね」 ■混乱の「マイナ保険証」野党質問で… 国会をざわつかさせたのは一部で混乱を招いた「マイナ保険証」についての石破総理の答弁でした。 立憲民主党 岡本あき子議員 「マイナ保険証について、総裁選の時は健康保険証の廃止ですね。期限がきても納得しない人がいっぱいいれば現行の健康保険証の併用も選択肢として当然だとお答えになっていたと思います。就任後は新規の発行が終わってしまいました。なぜ変わられたんでしょうか」 石破総理大臣 「9人も出ましたからね、我が党の総裁選で。色んな人が色んな意見を言う、それはそうあるべきものだと思っております。そこにおいて当選をさせていただきました。そこにおいて掲げました政策が私が当選をしたのだから『この通りにやる』ということにはなりません。いやなりません。それは…えーという方が問題で、失礼。マイナ保険証につきましても本当に不便を感じる方がないようにしていかねばならないのであって、私どもとしては誠実な姿勢を持ってのぞみたいと考えております」
テレビ朝日