欧州経済に「見苦しさ」、リスクがユーロを押し下げ-エラリアン氏
(ブルームバーグ): 米国と欧州の経済格差が拡大し、ユーロと欧州債にさらに重しとなる恐れがある。英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長のモハメド・エラリアン氏が指摘した。
エラリアン氏は14日、ブルームバーグテレビジョンに対し、「グローバル経済の良い面と悪い面、そして見苦しい面を見るとすれば、欧州は残念ながら見苦しい」と述べ、「市場は乖離(かいり)が今後の主要なテーマであることを理解している」と続けた。
米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利後、ドル上昇が進む一方でユーロは下落している。市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)の緩やかな利下げの見通しが強まっている。ユーロは14日に一時、対ドルで1.05ドルを下回り、約1年ぶりの安値を付けた。
「ユーロがさらに下落しても驚かないだろう」と、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストも務めるエラリアン氏は語った。
スワップトレーダーは、欧州中央銀行(ECB)が今後数カ月の間にFOMCよりも速いペースでの利下げを余儀なくされるとの見方を強めている。ブルームバーグが集計したデータによると、ECBは3月末までに100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近い利下げが織り込まれている。一方、FOMCについては40bp程度と想定されている。
原題:El-Erian Says Europe’s ‘Ugly’ Economy Risks Driving Euro Lower
(抜粋)
--取材協力:Jonathan Ferro、Dani Burger、Annmarie Hordern.
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Carter Johnson